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ついこのところの2、3年の話なのに、27〜29歳という3年間はとても色濃い年齢だった。
(もちろん、その前の年齢も、もの凄く濃い輪郭で描かれている。)
呑んで、暴れて(そういうのは20代前半にやっとけよ、と思うのだけど、20代前半にもやって、なおかつ暴れたいときがあるのです。)、迷って、悩んで。
時間があれば、いつも悩んでいた気がする。
女性にとって、というか、27歳、28歳あたりの年齢は、ある意味ladyになれるか、girlのままかどうかの試金石のような感じな気がする。
ここを適当にふにゃ〜と過ごしてしまうと、身のある大人になれない。(ような気がする。)
何が一番辛かったかというと(今も辛いけど)、「可能性が閉じて行く」ということを真っ向から突きつけられること。
20代前半は、何者でもないけれど、何者にでもなれる(可能性がある)。
外見も若いし、お金はなくてもエネルギーがある。
そのエネルギーと若さは、実はお金に換金できる。(ことがある)
けれども、後半に入ってきて、いざ、何かをしようという段階になると。
結婚の不安。
貯金の不安。
仕事の不安。
何者でもない自分の不安。
子供の不安。
未来の、不安。
やまほどの不安が目の前に山積みになって襲ってきて、
いったい、わたしはこの人生でいいのだろうか?
他の人は、もっと成功しているのに?
楽しそうに生きているはず。
なぜわたしはこんなにだめなのか?
etc..............
そこに、仕事のプレッシャー。
そろそろ中堅どころで、仕事も頑張りどころ。
ここを頑張らなければ、次がない。
でもお給料は昔とそんなに変わらない。
こんなところで、いつまでもいていいのか?
不安と自問自答は尽きない。
そうしていろんなことを決められずにいる間に、自分の脳がだんだん固まってきてしまう。
だから、会社とは別の時間軸をいくつも持っていないと、人生は辛いのだ。
会社は、会社に過ぎないのだけど、会社の価値観で段々頭が塗固められていってしまう。
自分がそうなっていくのがわかるから、それも怖かった。
若さは限りがある。
悩んでいる間にも、時間はどんどん過ぎて行って、それでいて、また焦る。
動けるだけ気力や体力が残っていればよかったけど、それもなくて、とにかく、どんどん可能性の扉がクローズしていくのを指をくわえて見ている感じだった。
手元に残ったものは何だろう?
- お花を生ける技術
- 7年働いたという職歴
- 夜遊び、恋愛、はじけ方
- メンズの考え方
- 男の、視線の意味
- ヴァカンスの経験
- ホテルが楽しい場所だということ(正直、ディズニーランドよりも今の私には愉しい)
- お洋服のセンス(少しだけアップした気がする)
- 審美眼(すごくあるわけじゃないけど、以前よりは磨かれた)
クローズしていくのを見ていたもの
- 若さとモテ(若さでモテるということ。昔はオジさまorお兄さんが寄ってくることが多かったけど、今はオジさまor5歳くらい若い男の子が多い気がする。)
- 湧いてくるパワーとエネルギー
- おバカな暴れ方
- 徹夜で踊ること(もう体力なくて徹夜はムリ)
- 痩せやすい身体(体質が変わってくる)
- 判断を求められない仕事
クローズしていく可能性と向き合うのはしんどいけど、手放したら、何か新しいものが入ってくるかな。