「ぬるい眠り」(著:江國香織)

先日、結婚式のためにGuamに旅立った。

 

 

今回は式以外はバカンス的な時間のつかい方をする時間があるような気がしたので、本のお供を連れて行こうと思っていたのだけども、旅行の準備にかまけて出発直前まですっかり忘れていた。

できれば、よしもとばななの「サウスポイント」を持って行きたかったのだけど(最近のお気に入り)、あいにく成田空港の本屋さんには置いていなくて、仕方なく別の本を急遽選ぶことになった。

 

 

ここのところは、もうすっかり本(というか小説)を読むという行為を忘れていて、本選びの直観力は大分にぶっている感じはあったから、まあ、なるべく冒険はせずに、穏やかに読み切れる(と思われる)本にしようと思って、比較的怠惰な登場人物ばかりがでてくる江國香織の本を選んだ・・・・・・・。

それが「ぬるい眠り」というまあタイトルからして頑張る、疲れる系の本ではないだろうと思った・・・・・のだったけど。

 

 

 

飛行機にのりこんで、数ページめくって思ったことは、「しまった」。

これは読んでいて疲れるやつだ。

私は今回の旅行で本を読むことを諦めた。

 

 

というのも、この本。

離婚やら不倫やらのショートストーリーが満載なのだ。

何編も何編も載っている。

少なくとも、これから結婚式をしようというときに読む本ではない。

そう結論づけて、そのまま家に持って帰ってきた。

 

 

ちなみに、帰りの飛行機で、夫は滞在中に自分の買った本を読み終わってしまい、

「暇になったから何かないか?」と言うので、「ぬるい眠り」を貸したのだが、読み始めて失笑していた。

なんちゅうもんを買うんだ!

 

 

いや、こういう小説が多い作家だということを忘れてたんだよ。

元気がないときは「元気だせー!」系の本を読むと疲れるから、タイトルに「ぬるい」が入っているくらいだから楽チンかなーと思ったんだけど。

 

 

帰ってきてから、久しぶりに雨が降って、毎日毎日iPhoneでインターネットを見るのもそろそろ飽きてきたし、活字でも読もうかと思って全ページ読んでみた。

 

 

が。

今の私の心の調子と身体の調子は、うつを抜けてようやっと回復途上のところ。

健康な人をプラスマイナスゼロだとすると、”身体も心もちょっとマイナス”、というところで落ち着いている。

それでもまあ以前のように起き上がれないとか、だるいとかという日は段々減ってきていて、少々睡眠が安定しない時があってもまあ心の調子を崩したり、微熱が出たりということはだいぶなくなってきた。

そんな感じである。

 

 

心身プラスマイナスゼロの状態であれば、急ぎすぎた毎日をスローダウンさせるために読むのにはちょうどいい感じの小説だけど、心身の状態があまりよくないときは、疲れてしまうので、まあ読んでもいいけど、疲れるかも.....。

 

 

きらきらひかる」というこれまた私の好きな江國香織の小説の続編も載っていたので、機会があれば再読したい。

 

 

 

 

ぬるい眠り (新潮文庫)

ぬるい眠り (新潮文庫)

 

 

 

きらきらひかる (新潮文庫)

きらきらひかる (新潮文庫)

 

 

 

サウスポイント (中公文庫)

サウスポイント (中公文庫)