ここのところ、眠りが安定しない日が続いている。
はじめに「睡眠障害」になったときもこのくらいの季節だったから、季節性なのかもしれない.....。
時々こういうことがあるよなー、と思いつつ、前ほどには眠れないことがプレッシャーにはなっていないので、状態としてはそんなにわるくないのかな。
「明日、朝イチで起きなければ・・・・!」
というプレッシャーがないのは、今の生活のいいところであって悪いところな気がする。
昨日、グアムによしもとばななの「サウスポイント」を本当は持って行きたかったということを書いたのを思い出して、やっぱり読みたい!と思い本屋さんへ向かった。
1件目にはおいてなくて、2件目あったので手にいれたのだけど、それを探している途中、本屋でうろうろしていたら、こんな本ー「悪人正機」(著:吉本隆明、糸井重里)ーを見つけて、思わず手に取ってしまった。
読んでみたら、「すごくいいなー」と思ったのと、ふわっと心が軽くなる感じの本で、読み終わった今もすごくふわふわしてラクになった感じがある。
こんな風に言ってくれる人が近くにいてくれたら、すごくらくになれる。
元々、糸井重里の対談を読むのが好きで、うつで布団にくるまっていた時は、毎日その対談を読んでいた。
こういうのを読んで、布団にくるまってると自然とふわーっとなってきて、結構よかったです。
話を引き出すのがすごく上手な人だなぁ、というのと、受け方がニュートラルだなぁ、というのと。
なんだかんだとすぐにマーケティングに直結するような、がつがつしたコンテンツばかりがある中で、あまりお金の匂いのしないコンテンツで読んでるとほっとするなあ....。というのと。
空気があったかい感じがする。
ウィキペディアを読んでも、何している人かよくわからないけど、なんか色々なことをやっているひとだなあ。
お気に入りの対談は、いくつかあるのですが......
糸井さんと吉本家シリーズ?が好きです。
読んでいてほっこりする。
これとか。
これとか。
これとか。
これとか。
なんで、この一家が好きなのかな?と、ちょっと考えたのですが、その昔、中学とか高校の頃に家庭が結構大変なことになっていて、家にいるとけっこうしんどい、みたいな体験があったのです。
”両親が離婚の危機”とかいったことは一切なかったけれど、
母方の祖父母と両親と兄弟で割と大人数で広くも狭くもない家に暮らして、
ちょうど祖父母と両親の間で見えない主導権争いみたいなことがたぶんあって、
世の中の3人とか4人の家族で3LDKのマンションとかに住んでいて、
子供のプライバシーが保証されるような平和な家庭はいいなあ.....と心底思っていたのだけど、
(私の周りにはそういうタイプの家庭が多かった。後その後わかったのは、割と表向きはそうでも両親の仲は冷えきっていたり、我が家と同じように3世代同居でバチバチしていたところも結構あったみたいだけど。)
吉本ばななのエッセイとか対談とかを読んでいると、ちょいちょい破天荒な家族のことが書かれていて、「あ、こういう感じでも大丈夫なら、我が家の感じでもたぶん大丈夫だな」と妙に納得してから、なんとなく好きなのかも。
本の中で、妙に心に残ったところがあるので、引用します。
どういうことかというと、人は「自分は、このようにちゃんとしたことを考えているんだ」と強く思えば思うほど、周りの他人が自分と同じように考えていなかったり、全然別のことを考えていたりすると、それが癪にさわってしょうがなくなる、ということでね・・・・・・。
でも、それはやっぱりダメなんですよ。真剣に考える自分の隣の人が、テレビのお笑いに夢中になっていたり、遊んでいたりするってことが許せなくなってくるっていうのは、間違ってるんです。
悪人正機 「戦争」ってなんだ? p136
周りからみると、わりと私がちゃらんぽらんに見えるからなのか、会社にいるときはしょっちゅう10も15も年上の同僚やら上司やらがやってきて、こういう
”自分はちゃんとしたことを考えているのに、なんであなたはちゃんとしたことを考えないんだ!”
的な説教をしてきて、ものすごくうんざりしていたことを思い出して、
なんかそう言えば、ここのところこういう人ってネットでもリアルでも関係なく増えたよなあ・・・・
と思ったり。
その、”ちゃんとしたことを考えている(だけの)”あなたが帰ったあとに、あなたが提案した意味わからない仕事の後片付けしているんですけどね。
と何度本人に向かって言いかけたかわからない。
会社員ってストレス溜まるよね。
あと、”ちゃんとしたことを考えてる”人って、その隣の人がどれくらい真剣に遊んでいるか知らないからそういう説教するんじゃないの。
いっときそういう人が本当にわらわらよってきて、うんざりしたことを思い出した。
もう5年くらい前になるのに覚えてるって、よっぽどイヤだったんだな。
本がでたのは2001年。
その頃から、そんな先が見えていたのかと思うと、なんだか予言のようにも思える。
最後のあとがきで、吉本隆明さんが、
わたしは実業も虚業にしかねない人間なので、人のため、世のため役立つことを思い立つと中学の先生などが分相応だと思っている。一番大切なのは中学生だと考えているからだ。この本も中学生に読んでもらえると嬉しい。
悪人正機 p339
と書いてあって、もう亡くなってしまわれたけど、自分が中学生のときにこういう人が学校に居てくれたら嬉しいなあ、と思った。(ちなみに、ちょうど本がでたあたりに中学〜高校生くらいだった。)
でも、タイトルの漢字が難しいから、よっぽどひねくれてるかませてるかの中学生じゃちょっとこの本手に取らないような気もするけど.......。
「ほぼ日」のなかでは、これもほっこりして凄くすきです。
たまに読むと、そういえば、このあとどうなったのかなあ〜?と思いをはせたりして。