先日読者登録しているお二方のブログで、現在弥生美術館で開催中の「はいからさんが通る」展の話のエントリーを見かけてから、ずーっと「あー、これ、行きたいなぁ...!」と思っていたのだけど、なかなか行けずいたのですが、ようやく行ってこれました。
「はいからさんが通る」展 ~大正♡乙女らいふ×大和和紀ワールド!~
以下、展示を見て思ったことがあったのでいろいろ書いてみたいと思います。
展示について
かなり気合の入った展示ですごく良かったです!
この展示では、「はいからさんが通る」の重要なシーンの原画をストーリー展開に沿って展示されているのですが、美術館だというのに爆笑しそうになってちょっと困りました。
正統派少女漫画なんだけど、かなりギャグが多くてコミカルなので、漫画だと読んでいてついげらげら笑って、シリアスに戻って、きゅんとなって泣く、みたいな。
また読み返そうかなぁ....。
展示自体は、「はいからさんが通る」のみではなく、大和和紀先生のほかの作品もいくつか飾られてました。
わたしはが読んだことがあるのは代表的な3、4作品(「はいからさんが通る」「あさきゆめみし」「ヨコハマ物語」「イシュタルの娘〜小野於通伝〜」)なのですが、それらの作品も結構展示されていたので、見応えがありました。
大和和紀先生の絵って繊細で綺麗でthe 正統派少女漫画なので見ていてうっとりしちゃいます。
なかでも「あさきゆめみし」は学校の図書室に置いてあって、当時は図書室に居着いていたこともあり、かなりしっかり読んだ記憶があります。*1
字数が多いので漫画というより小説に近い感じの読み進み具合になるのですが、源氏物語をかなり忠実に描いているのであらすじのみならず内容を理解するのにとても役立ちました。
まあ、読んだ感想は光源氏クソ男だなってことと、出てくる女性の中では朧月夜が好きだなってことと、源氏物語って単なるエロ本じゃん!ってことだけでしたが。*2
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1920s
ところで、この「はいからさんが通る」の舞台は日本でいう大正時代〜昭和初期(おそらくWWⅠ後の1916〜1925くらいの時期)にあたります。
この時代は、ちょうどアメリカでいうジャズ・エイジと少しずれるくらいのところで、第一次世界大戦の敗戦国を除いた欧米諸国では短い期間に文化や芸術が花開いた時代として有名です。
パリではココ・シャネルがそれまでのオートクチュールを一掃し、ジャージー素材のスーツやイミテーションのパールをはじめとするフラッパールックが流行り、パリのサロンにはピカソやダリといった新進気鋭の芸術家が集まって現代アートの基礎的な部分が培われていき、NYではカウンターカルチャーとしてジャズが流行った非常に享楽的な時代なのですが、同時に女性の社会参加が活発になり、各国で参政権を得た時代でもあり、女性史を学ぶにあたっては必須な時代となっています。*3
「はいからさんが通る」でも、先進的な考え方を持つ環が平塚らいてうの考え方に共感し、傾倒している描写が見てとれます。
1920sは、現代に続くモダンアートを始め、ファッションや、カルチャーの基礎が出来上がった時代です。
ファッション史なんかだと特に顕著だと思うんですが、1920sに現代の女性服の基礎が出来上がり、1950s以降の流行は今でもELLEやVOGUEでは特集されるくらい。
50s以降に出てきたブリジット・バルドーやジェーン・バーキン、カトリーヌ・ドヌーヴやツイッギーのスタイルなんかはこの頃のファッションをベースにして出てきて、今なお永遠のスタイルアイコンですよね♡
ジャズエイジ時代のNYの空気感は、フィッツジェラルドの小説「グレート・ギャツビー」によくあらわれていると言われますが、当時のスピード感とド派手でバブリーで享楽的な感じと、同時に感じる空しさや孤独は現代に通じる感覚があると思います。
最近では、「グレート・ギャツビー」が村上春樹氏によって翻訳本が出版されたり、バズ・ラーマン監督によって何度目かの映画化をされていて、再評価をされているのかなと感じます。
特に映画は、レオナルド・ディカプリオが主演で、キャリー・マリガンがヒロインなのですが、すごい可愛かったのでよかったらぜひ♡
映画に使われているTiffanyの宝石やプラダやミュウミュウの衣装もとても見応えがあります!
映画『華麗なるギャツビー』予告編1【HD】 2013年6月14日公開
この後、ウォール街の株価の大暴落を原因とした世界恐慌〜WWⅡへと一気に突入していく暗黒時代が到来することを考えると、つかの間の華やかな時代ともとれるので、歴史をといていくととても興味深い感じがします。
女学校のこと
「はいからさんが通る」展でも、当時の女学生たちの生活のバックグラウンドがわかるような展示がいくつもなされていました。
この時代の少し前くらいからいわゆる女学校(今で言う中学校〜短大くらいまでの中等教育・高等教育を行う学校)が設立されて、それらの学校は今もかなり伝統ある学校として残っており、「はいからさんが通る」の跡無女学園のモデルは跡見学園だと言われてます。
私が通った学校も展示にはありませんでしたが割と古い学校で、我が校の歴史から始まり、女子教育とは云々....というような話も在学中はよく耳にしました。*4
いわゆるお裁縫などをはじめとした家政学校を起点とした学校でもミッションスクールでもなかったのですが、当時はそれなりにお裁縫などの家政科目も今よりは重要視されていたようです。
他にも、授業の合間の小話で当時の遠足の話とか授業風景の話とかを聞く機会があったのですが、その中でもぶっとんでるなーと印象に残っている話は、授業参観にいろんなところの男性たちが花嫁候補を探しに来たり、あるいは婚約者の様子を見に来たりするという話。
まあ時代もそういう時代だったんでしょうが、男尊女卑もなんのその、っていうか、そういうのをきくと、なんかすごい生々しいわ....、と中学生ながらに思った記憶があります(笑)
いや、時代ってすごいですよね。
私はそんなにフェミニストではないですが、現代に生きていても女性って生きづらいなと思うこともあるけど、当時と比べるとだいぶ進歩したようにも思います。
いろいろ考えさせられる展示でしたが、学校のことを思い出したり、とても実のある展示でした。
展示はちょうど入れ替わったばかりで、青江冬星さんでした♡
はいからさんが通るにでてくる男性陣の中ではいちばん好きなメンズです。
忍さんもイケメンでかっこいいんだけどなぁ〜。
はいからさんが通るの原画展をやっているといくつかのblogで見て、行こう行こうと思っていてやっと行ってきた。図らずも写真はちょうど冬星さんだった💕
— i (@iixxx_xx) 2017年11月30日
(編集長Love❤️)#はいからさんが通る #弥生美術館 #大和和紀 pic.twitter.com/zLPJIUXuxZ
書きたいことかいたらやっぱり長くなってしまった....。
新婚旅行〜ロワール地方の古城巡り編〜、新婚旅行〜パリ編〜もまだ書いていないというのに....。
次回くらいにはかけるだろうか.....