サウナブームの現在地

サウナブーム、という言葉をきくようになってひさしい。

私がSNSのサウナクラスタまわりでうろうろしているときにはずっと言われている気がする。

いい、とも悪い、とも思わない。

ただ自分自身は利用者としてブームと呼ばれる状況が長く続き、できれば生活習慣として根付いていってほしい、と思っていた。

 

 

温浴自体は長い歴史を紐解くとずいぶん古くからある行為なので、何が残っていくかはわからないけど、行為自体は変化を続けながら残っていくのだろう。

岩盤浴も記憶が正しければ2000年代にブームがきて、はじめは街中のおしゃれスポットとして、その後スーパー銭湯や大衆向けの温浴施設に付帯する設備となって、今ではお風呂やサウナとワンセットになって全国のあちこちに展開していったので、新しく流行っているフィンランド式サウナもそんな感じで定着していくのかもしれない。

 

iixxx.hatenablog.com

 

上の記事(2019年、コロナ前)の頃、すでにブームの兆候はあった。

というか、今振り返ればもうここはブームの渦中だったのかもしれないと思う。

熱狂していく期待感と、どういう風に展開していくのか楽しみなのと。

今より希望とかポジティブな空気感がなんとなくあった。

そんなふわふわした希望が広がって加速していく熱を、なんとか、緩やかな感じに伸びていってくれればいいなと最後の方は祈っていた。

もう祈るしかなかった。

この頃は、たぶんサウナブームは加速するだろう、というのはほとんどみんな確信を持っていたと思うけど、それでも力まかせに流れてこようとするものに対する抵抗みたいなものは端々にあった。

結局押し流されてしまっていてやっぱり無駄な抵抗だったかな、と思うけどそれでもひねくれものなので抵抗したかったし、抵抗したことはちゃんと書いておいてよかったな、とちょっとだけ思う。

 

まさか、コロナが起爆剤になるとは。*1

たぶんこれは、渦中にいる人たちにすら全く予想できなかったことだと思う。

 

 

ブームというのはいつからのことをブームとなるのだろう。

デジタル大辞泉によると、次のように書いてある。

 

ブーム【boom】

 ある物が一時的盛んになること。急に熱狂的人気対象となること。「ブームを呼ぶ」「サッカーブーム」

 急に需要増して価格急騰すること。にわか景気。「土地ブーム」

 

ブームとは何? Weblio辞書

 

わかるようでよくわからない。

需要が急増して供給が追い付かない状態になり*2、価格が高騰している状態をいうのであれば、まあ現状やっぱりそうなのだろう。

 

あの頃サウナについて熱く語っていた人たちを、最近あまり見かけなくなった。

それはさみしいことだな、と感じている。

その代わりよく見かけるようになったのは、

”人生で行っておくべきサウナ●●選”とか

”ここに行っておけばサウナがわかる●●選”とか....。

Youtubeinstagramでサウナを検索すればそういうコンテンツをいくらでも見つけることができるし、podcastもサウナについて語る番組はずいぶんと増えた。

 

サウナを順位付けする雑誌やコンテンツが発生するたびに、いやいやそんな無粋なことをすべきでない、そういった行為は野暮だ、といった声があがっていた頃が懐かしい。

そういう記事が氾濫しすぎて、今や誰もそんなこと言わなくなってしまった気がする。

いつまで続くのかわからないけど、自分はもうああこれは終盤なのだな、というのをひしひしと感じていて。

空気ってこういう感じなのかな。

まあそういうものなのだろうな。

そんなことをいいつつ、自分はどこかの施設の片隅でやっぱりサウナに入っていると思うし、愛好家に戻って年をとってもそういう愛で方をしていきたい。


 

参考:

サウナブームは止まらない!進化する。営×サウナを徹底分析! | | プレジデントアカデミー

 

 

f:id:iixxx:20211203174050j:image

 

f:id:iixxx:20211203174148j:image


f:id:iixxx:20211203174145j:image

*1:コロナが起爆剤、というと誤解を招きそうな気がするが、コロナ前とコロナ後ではきている客層は違っていると思う。

*2:これは確かにすでにそうなっている気がする。関東近郊の男性サウナは、一般的な休日の混雑はほんとに酷くて、入場制限しているところもあるくらいだ。

(勝手に)アドベントカレンダー前夜 ”愛と情熱とカオスの銭湯サウナ”

 

愛と情熱とカオスの銭湯サウナのはなし

 

前置き

サウナイキタイ、というサイトで毎年サウナに纏わる文章を毎日掲載していくアドベントカレンダーという企画があります。

 

sauna-ikitai.com

 

よくよく考えると、毎年眺めていただけで今後も眺めてるだけで十分かなぁ、と思っていたのですが、応募してみたらいいんじゃないか、と言われてめずらしくやる気を出して応募したものの応募者多数で抽選に漏れまして。

うん、ちょっと凹みました。

なぜかと言われると難しいですが、このテーマは昨今の感じからいくと需要がなさそうなので無理だろうな、と思ってはいたのでしゃーないな、とは思います。*1

来年…は応募するのは厳しそう....。

 

さりとて私は今年しか纏まった文章は書けなかったと思うので*2これはお蔵入りにしようかな…とも思ったのです。

運も今回はなかったし。

なんだかんだで、最近のサ活には大体のことが書かれ尽くしてるからもう書かなくてもいいかな…、と感じることも増えました。

文章を書くのはしんどくて、でもまだ書きたいという気持ちや葛藤もある。

一書くことが好きなんでしょうね、たぶん。

無理矢理、ガムシャラに書いたものの多くは大して読まれないだろうな、とは思うのですが、つい書いてしまうのが性分というやつですね。

 

 

 

 

これでほんとにしんどかった今年の一区切り。

今年はずいぶん長い文章を沢山書き、また昔よりはいろんな人に読まれた気がします。

内容はしんどいものが多くて読む人も大変だよな、と思いつつ。

今の空気をぎゅっと閉じ込めたような、そんな文章が多くなりました。

 

書くかどうか、とか、

書いたところでアップするかどうか、とか、

いろいろ考えたんですけど。

 

読みたい、と言ってくれた人にただただ届けたくて書きました。

いつも私は読んでくれる人を不思議とイメージできるから、大してアクセスがなくてもずっと書いてこられている気がします。

 

読んでくださったりスターをくださるみなさま、いつもありがとうございます。

 

 

ブーム前夜

まだこんなにサウナがブームになる前の頃。

とは言ってもそんなに前の話じゃない。

ほんの3、4年くらい前のこと。*3

 

私はその頃、銭湯サウナによく通っていた。

何故か、といわれると理由は簡単で。

手軽で週2回くらい行く分にはそんなにお金がかからず時間も潰せるちょうどいい趣味だったから。

睡眠はぐだぐだに悪く、どうにもならないくらい行き詰まっていた。

手当たり次第睡眠を安定させるために試したうちの1つが交互浴で、交互浴とサウナはどうにもならなかった私の睡眠を、低空飛行ではあるもののそれなりに安定させた。

 

 

友人の多くは仕事や子育てで忙しくて、人生の必要なポイントをどんどん進めているように見えた。

自身は働こうにもまだフルで働けるような気力体力の回復には程遠く、かと言って子どもを育てているわけでもなく、1人ぽつんと取り残されている感じがした。

会おうと思えばいくらでも子育てしてる友達とは会えた。

ただ会う時には必然的にお子さんがご一緒になるので、でもそれは自分が子供を産まず子育てしていない現状と向き合わなければいけなくて、自分にとってはとてもしんどいことだったので逃げ続けた。

気楽に会える人はほとんどいない。

そして人と会いたくない。

また気分転換に現況から逃げ出そうにも、1人で遠出するのにはいろいろなことのハードルが高すぎた。

自分が人生のチェックポイントみたいなものを進めたりクリアできたりするようには到底思えず、ただただ孤独だった気がする。

気力も体力も安定せず、生きているのがしんどかった。

 

 

そんな中で救いだったのは、遠くはないところにいくつか有名な銭湯があって、通う銭湯には困らなかったことだ。

そのうちの一つが萩の湯。

リニューアルしたばかりで様々なお客さんが来ていてた。

ガヤガヤしていた雑音をききながらお風呂に入っていると、気が紛れた。

やってくる圧倒的多数はふつうの普段使いのお客さん。

そして時々成田からの交通の便と宿泊施設の安さと利便性からか割と海外の観光客も来ていて、なかには揉め事もあったがたまに入ってきては日本の銭湯文化を楽しんだりしていて、なかなかおもしろい空間だった。

 

セイントセントー

あるとき水風呂のところに漫画が張り出された。

東上野の寿湯、鶯谷の萩の湯、向島の薬師湯でだけ読める、とある。

セイントセントーである。

どうやら、毎月連載するらしい。

萩の湯はよく来ていたので、まあ続けて読めるだろう、と思ってサウナと水風呂の合間に時々立ち止まって読んでいた。

それで、初めて薬師湯の存在を知った。

寿湯と萩の湯は兄弟でやっている、というのは元々知っていたのだけど、薬師湯の存在はこれを見て、もう一軒あるのか、と思った。

いちばん上のお兄さんがやっている(ご実家らしい)、と知って、俄然興味が湧いた。

つい癖みたいなもので、そういう関連を知るとつい、まわりたくなってしまう。

ただ一軒だけ少し遠くのスカイツリーのふもとにあったので、しばらく足踏みしていたのだが、思い切って入りにいった。

真冬のことだったと思う。

 

薬師湯

ひだまりの泉萩の湯 | JR鶯谷駅北口徒歩3分の都内最大級公衆浴場

台東区東上野寿湯

 

 

薬師湯

今でこそ墨田区の銭湯サウナというと、サウナ施設顔負けの黄金湯にオールナイト営業の大黒湯、セルフロウリュの激アツサウナと冷たい水風呂の寺島浴場、暴走ミストサウナが噂の松の湯、若い4代目とその周辺に集まってくる若くておもしろい人たちが営業している電気湯など、サウナ界隈でも話題に事欠かない多彩な顔ぶれだが、このときはサウナが話題になっている銭湯はあまり多くなかったと思う。*4

そのなかで、薬師湯は異彩を放っていた。

その頃からTVやメディアにはちょくちょく登場していて、そういうのに協力的な銭湯だったのだと思う。

 

初めて来ると、その不思議な空間にたぶん戸惑う。

なにせ入口からBGMがかかっている。

が、そこからしてやばい。

薬師湯ワールド全開である。

なんの曲だと思います?

 

答えは、OFR48の「お客様はハダカです」。

 


www.youtube.com

 

OFR48、知ってます?

おふろ屋さんで働くアイドルグループなんです。

噂によると鶴見のおふろの国の店長が仕掛け人らしい、のですが、まあそれはさて置くとして。

この曲、危険なのは何度も聴いてるとつい口ずさんで入ってしまうのですよ…。

入っていってしゅーぞーさん*5がいらっしゃるときだったりすると、

はっ…∑(゚Д゚)( ꒪⌓꒪)

ってなります。ほんと。

 

そして下足箱に靴を入れて入っていくと、出迎えてくれるのは薬師湯グッズやいろんなイベントコラボTシャツ、そして酉の市の熊手。

私のオススメグッズは入浴剤です。

ここの入浴剤ね、ひと味もふた味も違うので見かけたらお土産にぜひゲットしてくださいね!

 

少し奥にはTVやソファやテーブルが配置してあって、知ってる人の家に遊びにきたような安心感のある空間が広がる。

コロナ禍ではちょっと難しいけど、ここに来るとビールや塚田牛乳の甘さ控えめなフルーツ牛乳*6やキンキンに冷えた缶ビールを飲んでダラダラしたり、漫画を読んだり、テーブル下に置いてある千夜十夜着想記を読んだり*7、TVのニュースをぼーっと眺めたりして、もういいかなって満足した頃に帰る。

そういう適当で多少雑な感じで、放っておいてくれて、でも居てもいい場所、ってなかなかないから。

だから私はあそこが好きなのです。

 

お風呂とサウナと水風呂

メインの浴槽は毎日変わる薬湯。

いちばん有名なのは、一定の時間ごとにお風呂の色が変わるスカイツリー風呂(粋と雅の2パターンある)ですが、ほかにも様々なテーマに沿っていろいろなお風呂が毎日楽しめます。

最近のいちばんのヒットはスパークリングワイン風呂。

あのですね、まじで、ガチで、スパークリングワインをめっちゃ振っておふろでポーン、とやって湯船にワインを入れるんです。

あれはハレの日のイベントにやっていて本当に面白い。

千夜十夜着想記の千夜十夜の湯のイベントで登場したお風呂ですが、今も時々登場します。

前回の千夜十夜の湯は国めぐりで、今年は星座でした。

それからよくやっているのはプロ野球Jリーグのお湯、日本昔ばなしやお料理の湯など。

ちょっとほかのお風呂屋さんではみたことのないような多彩なお風呂が毎日楽しめます。

しゅーぞーさんの人を喜ばせるお風呂はいつ行っても本当に面白くて、機会があったらぜひぜひ入りにきて欲しいです。

ちなみにこのお風呂、麦飯石で濾過されてるので、ちょっとお湯自体がやわらかいんですよ!

 

そしてサウナ。

コンパクトなサウナ室なのに、でかい遠赤外線ストーブがどーんとあって。

2段座るところがあって、どっちも座るスペースが広くて楽に座れる。

上段は天井が近いので、上の方だと100度になる。

今でこそ、そこそこ女湯サウナにもこの温度設定が増えてきたのですが、この頃はそんなに高温になる女湯サウナがめずらしくて。

TVなし&80sくらいのJ-POPや洋楽が流れているアツアツのサウナは、一瞬で私を虜にした。

ここのサウナは、当たり前だけどヌシみたいな人がはいないわけではない。

行くとよく見かける顔、というのは何人か思いつく。

ヌシかというとそうでもないな、とおもうけど。

不思議とここのサウナで入っていて納得がいかないことやなんだかなぁ、と思うシーンに出くわしたことはない。

なぜならみんな放っておいてくれるから。

下町のウェットなのにドライな距離感がなんだかんだで心地よい。

話かけられることはあるけど、巻き込まれることはない。

それはわたしが他所者なことがわかっているから、というのと、他の銭湯ユーザーであることがなんとなくわかるからだろう、と勝手に予測している。

 

そして奥まったところにある水風呂。

半分外みたいなところにあるので、季節によって水温が揺れる。

最近は人の出入りも多いから18ー25度くらいで推移してると思うけど、初めて行った時は16度。

冬で外が寒かったのと、今ほど人の出入りがなかったのもあるのかもしれない。

100度ー16度みたいなキツめの組み合わせは入ったことがなかったので、サウナと水風呂を往復するだけでただただ気持ちよかった。

あまり私はうたせ水をやらないのだけど、実はここの水風呂は打たせ水もできる。

水風呂の蛇口を捻ると頭から水を浴びられるのだ。

機会があったら試してほしい。

なんなら湯船の組み合わせによっては水風呂にも入浴剤が入っていたりする。

そういう遊び心、本当好き。

普通水風呂には入浴剤入れないですよ…!

 

 

お気に入りのオレンジの休憩椅子

そして薬師湯いつもすごいな好きだな、と思うのは、どんどん進化していくし、サウナ好きに大々的にではなくそっと寄せてくれるのです。

中でも嬉しかったのは、休憩椅子が2脚置かれたことと、サウナでてすぐにところにサウナハット掛けを作ってくれたこと。

おかげでここのサウナではこの辺の銭湯サウナにしかこなさそうな常連さんもサウナハットを被っています。

なんかあの光景を見た時には思わずくすっと笑ってしまいましたよね。

椅子は薬師湯っぽくオレンジ色の休憩椅子。

浴室利用者のあまり邪魔にならないところにそっと置いてくれて、すっかりお気に入りになりました。

 

特に今まで言及したことがないのですが、私が休憩椅子に求めることは2つあって。

1つは、座った時にお尻の位置に水切り穴が空いてること。*8

もう1つは、椅子の色が施設にマッチしてること。

実はあの椅子、カラーバリエーションがあって密かにセンスが問われるなぁと思っているのですが、自分の好きな施設は絶対にあの椅子が施設にマッチしたカラーになっていて、実際に座った記憶がかなり鮮明に脳裏に残るので密かにあの椅子の色はつい見てしまいます。

 

いくつか記憶に刻まれている椅子があるのですが、それは在りし日の夏の昼に座った相模健康センターの深緑の椅子や*9、おふろの国で座る場所をつい選んでしまうカラーバリエーションに富んだ休憩椅子、夜のニューウイングで座った換気ドアそばの赤い椅子や、早朝の東名厚木健康センターで露天の隙間から見える東名高速に想いを馳せながら座った頭の部分を改良した白い休憩椅子だったりします。

そういう特徴的な椅子は、ほんとうに記憶に残るのですが、薬師湯のオレンジの椅子はやっぱりそのタイプの椅子で。

一目見た時、あー、薬師湯っぽい!と思いました。

そして座ってみてとても好きになりました。

水風呂の端に置いてあって、浴室を見渡せて。座るとなんかホッとする椅子なのです。

 

千夜十夜着想記

そして最近の薬師湯の特徴は、おふろの壁に貼ってある読み物の多さ。

ここ2年くらいで急速に増えました。

以前は写真中心の薬師湯しんぶん*10とセイントセントー、近隣施設の広告があったのですが、最近は2年ほど前からそれに加わった千夜十夜着想記が密かに人気を博しています。

YouSay (@Ux09) | Twitter さん、という方が書いている長文の(大体3000〜5000字くらい?)読み物なのですが、毎月様々なテーマに沿って書かれていて。

これがつい読まされてしまうのです。

行って読んでからのおたのしみ、なのですが、千夜十夜着想記はね、キレッキレなんですよ、毎回。

一生懸命生きてきた大人にはたぶん刺さるポイントが多くて。

読みながら、がんばれ!若人…!って思ったり、身に覚えのある感覚に思わずくすっとなってしまったり。

続きが読みたくて、ついつい長湯長サウナになってしまいます。

休憩スペースのテーブルにも置いてあるので、行かれた時にはぜひ手に取ってみてくださいね。

 

 

千夜十夜着想記はたくさん読んできてるけど、初期のころに書かれた「引き算のマジック」が私はいちばんすきです。

薬師湯の造りや魅力が存分に書かれていて、ここの魅力が雄弁に伝わってくるので読んでみてほしいです。

 

 

終わりに

アドベントカレンダー、応募したんだけど書こうとしてるやつではたぶん通らないだろうな、って思ってました。

毎年読んでるけど、ふだんは参加できるほど書いてる時間がなくて、いつか時間ができたら応募しようかな、と思っていたら今年は諸事情で時間ができてそっと背中を押してもらったので。

 

来年以降は纏まったものを書くのは難しいんじゃないかなと思っていて、たぶん今しか書けなかったので、こういう形で私のいちばん好きな銭湯サウナの話を書きました。

 

何度か薬師湯の話は書いているのですが、なかなかいつもうまく書けなくて。

今回初めてこういう風に書けたかなと思います。

薬師湯はひみつの心の逃げ場です。

AM2:00の深夜帯まで営業してくれてるのは、ふと色んなことから逃げ出したくなる自分としては、そこが深夜にやってることを知っていることがすごく救いになるのです。

万が一の時に駆け込む場所。

 

そういう逃げ場をいくつか確保することは、東京という狂った街で生きていくために必要なことだと思っていて。

ほんとにいつも深夜まで営業されていることに感謝しています。

そういう夜のはざまにいられる場所がいくつか点在しているのは東京のいいところだな、と思っていたのですが、コロナですっかり難しくなってしまいましたね。

 

いつも本当に感謝していて、ずっと好きです。

墨田区の施設、深夜に入りたくなる施設が多くて。

たぶん相性とか、波長が合うというのはこういうことなのだと勝手に思っています。

 

おふろとサウナに愛を込めて。

東京でいちばん好きな銭湯サウナです。

 


f:id:iixxx:20211127162322j:image

 


f:id:iixxx:20211126004600j:image

 

*1:東京の施設をテーマにした話は山ほどくるでしょうしね。

*2:そうだったらいいな、という希望的観測でもあります。

*3:けっこうTwitterやってるのに友達とか知り合いを作るの、ほんと下手くそだ。

*4:他に墨田区には高砂湯、さくら湯、中川湯などの銭湯サウナがあります。

*5:東京の銭湯業界では知らない人がいないのではないかと思うくらい有名な長沼3兄弟のいちばん上のお兄さん

*6:これ、新潟の会社のやつなんですが、東京ではほとんど見かけないらしいレアなやつなんです!

*7:これは浴室にも貼ってありますが、ここにはバックナンバーが置いてあるのです。

*8:これはこの穴があるやつとないやつだと水やお湯を流しかけた時の利便性が違うのです。

*9:あれは絶対に深緑だったのが絶妙によかった!

*10:萩の湯と寿湯にもこのおふろ新聞はあって、萩の湯がいちばんお便りっぽいです。

【本の感想】さうなと 03コロナ禍

前回の02に続き、去年よりも大々的に発売されたサウナのエッセイ集、"さうなと"。

去年の2は、ちょっと悩んで、ニューウイングのレディースデーで手に取った。

読んでみたい書き手の人が、書いていたのを知っていたから。

あと毎日あがってくるニューウイングで描かれているポップがかわいくて、なんか負けたな…、そこまでされたら買おうかな、って思ったのです。

 

(話ごとにあがっていたポップ。かわいい。どの話のやつか一目でわかります。)

 

 

今回の3は、去年の2の感想をツイートしていたニューウイングの吉田さんのぽつりとつぶやかれたツイートが印象に残っていて。

 

今回ここに名前が載っているからには絶対にコロナの話が書かれているのだろう、と確信して手に取った。

だって、そんなの読みたいじゃないですか。

今年はサウナ施設に本が並ぶ前に、BOOTHで購入しました。*1

 

感想は後述しますが、重い…、重いよ…。

とにかくすごいと思ったのは、"去年の空気がそのままエッセイに閉じ込められていること"。

あとで知ったのだけど、それもそのはず。

実際に去年書かれたものだったものが、どうやら編集長の手によって寝かされ、今回世に出された、らしい。

このニューウイング吉田さんの"充分な理由"と金春湯 角屋さんの"最初の緊急事態宣言振り返って"の2本の対をなす現場エッセイを骨格として(内容も重さと軽やかの対をなしている感じなのである)、さまざまな観点から書かれるエッセイは、やっぱり去年空気を保存した1本があることによって、ほかのエッセイがいきいきと展開しているように感じました。

サウナがすきな人、銭湯がすきな人、しんどい思いをして足掻いていた人、今頑張っている人、業界をいろんな角度から眺めたい人、エッセイの著者のファン、登場するサウナ施設を愛してやまない人、サウナ施設全般のファン…etc

いろんな人に手に取ってもらいたいエッセイ集です。

温浴施設の人にはとりわけ読んでもらいたいです。

(読んでると思うけど。)

 

以下ネタバレを交えながら、一本ずつ感想を書きます。

*1:今はちょうど人生の狭間で時間があるから、読んだり感想書いたりできる、というのもあります。

続きを読む

しんどい時代の記憶の気配が残る街

錦糸町

 

総武線の沿線にある東東京随一の繁華街。

北口には黄金湯があり、最近オープンしたサウナ錦糸町womanがある。

今の私にとってはサウナの街、になった。

 

ちょっと前までは、少しの期間しんどい時期を過ごした場所でもあり、歩くと街のあちこちにその頃の記憶がふと蘇るしんどい時代の気配が残る街だった。

 

蘇る、といっても、キツかった時期の記憶には感情が抜け落ちていて。

思い出されるのは、その頃のきりきりとするような胃の痛さと、ポツンポツンと絵や写真のような平面的な記憶だけ。

 

病気明けで復職したとき、ここに帰ってきていた。

正確には、錦糸町からさらにバスに乗っていたので錦糸町の周辺に住んでいたわけでは無いのだけど。

仕事に行った帰り道、毎日のどうにもならない疲れと仕事の間中続いた過緊張がここに来るとぷつっと途切れた。

緊張の糸は業務終了時間がきたからといっていきなりは切れなくて、いつもここで電車を降りて、喫煙所でタバコを吸うことで、ようやく意識を休ませることができた。

だからどこに喫煙所があるのかを今でも覚えていて、通りがかってタバコの匂いが漂ってくると、そう言えばここに喫煙所があったんだよな、と思い出す。*1

四ツ目通りの道路標識は、苦く懐かしい記憶を呼び起こす。

 

そして時々カフェでお茶を飲んで一服してようやくふぅ…っと呼吸ができた。

それまでの時間は、もうその頃は毎日監獄に通勤しているようだな、と思っていたので、どうやって呼吸をしていたのかすらわからない。

まともな神経では働けないので意識を意図的に歪めて、どうにかして働いていた。

まあ、そんな状態で身体が保つわけもなく、結局退職することになるんだけど。

 

タバコを吸いながら街を眺めていると、なにをして生計を立てているのか検討もつかない人がごろごろ歩いていて。

でもそういうわけのわからない人がたくさん歩いていることは、当時の自分には救いだった。

働いてなくても生きていていい。

大丈夫。

大丈夫かどうかはともかく、まあ多分大丈夫だろう、と思わせる何かがこの街にはあった。

 

南口を出て、ニューウイングへ向けて歩く途中。*2

真昼間の風俗店の隙間を通り抜けて、普段は競馬中継を放送しているであろう謎の喫茶店でトーストを齧りながら、ふとそんなこと思い出した。

コロナの影響をダイレクトに受けているだろう街で、昼間の人通りは極端に少なく、夜も戻ったとは言えないだろう。

でも、たぶんここは大丈夫。

こんな状況でも人は営みを続けていて、どうにかやっていくために試行錯誤を繰り返している気配がある。

新宿の開き直った感じとはまた違う。

この街には、きっとこの街の矜持があるのだろう。

 

 

ニューウイングのレディースデーに行く度に、道すがらでいろいろなことを思い出す。

ああ、そう言えばこの街に全部封印していたんだっけな。

 

 

サウナに入ったら気持ちよくて、そんなことを全部忘れてしまうのだけど。

そんな時代の記憶があるから、つい浴室でも錦糸町の夜の気配を微かに感じられる、換気ドアの隣の赤い休憩椅子に陣取ってしまうのかもしれない。

あそこがいちばん、好きな休憩場所です。

錦糸町の街の気配が、ドアの隙間から入ってきます。

機会があったら、よければ試してみてください。

 

 

内緒ですが、このエントリーは下記のサ活に連動した裏話です。

sauna-ikitai.com

 

 

f:id:iixxx:20211104000853j:image


f:id:iixxx:20211104000849j:image


f:id:iixxx:20211104000843j:image

*1:今は断煙しました。

*2:そういえば南口から出るバスに乗っていたんだった。

だから本当にこっちのエリアはよく覚えている。

なんでここにオシャレビルだったであろうマルイがあるのかさっぱりわからない。

ここ10年のはなし

はてなブログ10周年特別お題「10年で変わったこと・変わらなかったこと

 

はじめに

まずははてなブログのサービス開始から10周年!

おめでとうございます。

そうか、はてなブログは2011年にスタートしたのですね。

なかなか大変な年にスタートしましたね。

私は2014年からここで書き始めたのですが*1、読み返すとなかなかいろんなことがありすぎて…。

ちょうど2016年に5周年のお題をやったときにもエントリーを書いていたので、それと合わせてanswerになる部分とそうでない部分と、振り返りたいとおもいます。

 

 

5周年記念エントリー

ちょうど今から5年前、2016年に5周年記念のお題をやってました。

この時の私は頼まれもしないのに勝手に過去5年を振り返り、またその時は全く考えることのできなかった将来の5年について苦しみに悶えながら、未来の自分に手紙を書いたのを覚えています。

だから合わせて10年分のこと、2016年を起点に前半と後半にわけて、書いていきたいと思います。

iixxx.hatenablog.com

 

iixxx.hatenablog.com

 

 

前半の5年(2011〜2016)

前に書いたときにはハッキリ書いていた部分と、書くのを躊躇ってボカした部分とがあって、大変だったんだな、というのはなんとなくわかるものの、それしかわからない内容でした。

 

この頃はちょうど社会人になって、会社ではひよこから中堅になっている頃。

社会人のひよこの時期、まだ(生活にある程度の支援を必要とする)同居の母方の祖父母と遠方に住む父方の祖母を抱えてており、母は仕事で忙しく、きょうだいは成人していたけどまだ学生で…というなかなかヘヴィな状況下で父親が死んでもおかしくない病気で倒れて、運良く麻痺などもなく回復して、ようやく日常の生活を回せるくらいに戻ってきた頃ですね。

家にはマトモな社会人が母と私しかおらず、今考えたらあのとき若かったのにいろんなものを背負ってまあよく頑張ったよね。*2

おつかれさま。

でも突然父親が倒れたことによって、親戚家族間の山のようなゴタゴタを見てしまい、人よりちょっと(だいぶ?)大変ではあったけど、ちゃんとやり切ったからそのあとはだいぶ楽にはなったかな。

突然身内が倒れたことによって、人間は突然死ぬ、というのがあまりにもリアルに迫ってきて、生きてることは奇跡だし、若さは有限である、ということが重い現実のものとして受け止められるようになりましたね。

それで勢い余って、若さと体力が有り余っているうちに、やりたいことをとにかく20代で全部やっておこうと思って、側から見たらちょっとはちゃめちゃな方向転換をして、20代の残りはプレイガールをやりきることに決めて、お酒飲んだり踊ったりデートしたりする合間に仕事に行って、その隙間にいけばなをやり、いろいろな資格を取り、たまには飲み友に付き合って徹夜で飲んだり、気付かれないようにソイツの仕事や合コンの尻拭いをしたりしてましたね。

しなくてもいいのに勝手にフォローしちゃってるのは、まあやっぱりその飲み友が優等生なのに中身がペラペラで心配だったからですよね。

大丈夫、彼はちゃんと骨のある大人になったことだけはお伝えしておきます。*3

 

そんなはちゃめちゃな生活が維持できるはずもなく、鬱になってぽきっと心が折れて脳に不具合が発生してしまったのも、それだけストレスをかけ続ければ当然と言えば当然で。

でも悔しかったよね。

"もっとできるはずなのに…!"と夢や理想を叶えていくことができなくなって。

通院して寛解した後、どちらかと言うと抑うつ気味なメンタルもそうだけど、どれだけ気持ちが頑張れても全然ついてきてくれない身体や失われた体力に常に苛々していて。

何もできないし、寿退職と称して仕事も辞めちゃったし、家のなかもうまく回せない。

結婚したのはいいけど、自分は単なるお荷物では?もう生きていたくない、って思ってぐるぐるしていて。

メンタルがダメでも働いている人は大勢いるはずなのになんで自分はこうなんだ。

これでいいのか。

って、自分を責めてばかりいるでしょう。

思うように身体が動かないのが本当につらくて。

頭はまわっちゃうから余計に身体がついてこないのが本当にもどかしい…。

だから2016年当時は、新婚で楽しい時期なはずなのにもう生きてることがつらくて。

明日のことすら考えられない。

自分がどう生きていくか(生きていられるか)が何一つ確信を持てないから、誰に何を言われても心が動かなくて。

そんな状態だから、こどもを産むとか考えられないよね。

あのとき自分が折れてたら、たぶん今頃詰んでると思います。

だいぶ結構な大喧嘩だったけど、ちゃんと説明して、話を聞いて、長い時間話し合って…。

あれは私達には必要なことでした。

ほんとにおつかれさま。

ちゃんとやれて偉い。

 

 

後半の5年(2017〜2021)

さてそうは言っても、動けないから動かないままにしておくようなかわいい性格はしてないですよね。

動けないなりに、なんとか動きたくてあがき始めた頃ですね。

この頃ようやく1日起きて動いても、翌日の休みがいらなくなって、引っ越しや新婚旅行も終わって、ちょっとずつ外に出るようなりましたね。

そのときにはじめた趣味の一つが銭湯めぐり。

いい銭湯がそんなに遠くないところにいくつかあったおかげで、はじめは銭湯に、それからサウナへと急速にのめり込んでいきましたね。

萩の湯がこの時期にリニューアルオープンしたのも大きかった。

銭湯のカルチャーがよくわからないなりに、あのカオスなお客さんたちに混じってお風呂やサウナに入ったりして、少しずつ銭湯やサウナがどういうものなのかというのを会得していきましたね。

それで少し元気になったからか、フルタイムの正社員で責任を持って仕事をすることを諦め、週3、4日くらい働くことで、途切れたキャリアを再スタートさせました。

再スタートの初回は大失敗だったけど、2社目はわりとゆるくて、新しいことを覚えられる上に基礎が学べて、裁量もあって、まあ悪くはなかったと思います。*4

コロナさえこなければ、もう少しうまく立ち回ってキャリアを紡げたと思います。

まあもうこれは仕方ないですね。

そういう星周りってあるから。

世の中が混乱しているときにはわりとババを引きがちな人生なので、今回に関しては早々に諦めました。

ただちゃんと継続して働ける自信と実感、実務の勘どころが戻ってきて、excelとかのキャッチアップもできたので、この5年は悪いなりに踏ん張れたと思います。

 

親知らずも全部抜き終わったし、気になっていた訪問着のクリーニングも依頼を出せた。

それから、着物を自分で着られるようになりましたね。

いけばなをやっていると、自分で着物を着られた方が何かあったときに安上がりだし楽でいいな、とは思っていたものの、どこから手をつければいいかわからなくて長いこと放ってきたことだったので…。

自分で着られるようになったり、夜会巻きが巻けるようになり、普段着としてもまあわりと着られるレベルに到達したのがちょっと感慨深いです。

箪笥の肥やしになっていた母の小紋もこれでバンバン着倒せるよ!

 

そして突然降ってわいたコロナ禍にも、悪いなりになんとか踏ん張れているのは案外しぶとい性格のおかげかもね。

これからも大変なことは多く、先のことはわかりません。

自分の信じるままに、とんとんくらいに生きられたらそれでいいかな、と最近は思います。

 

f:id:iixxx:20211018013250j:image

 

2016年の5年後のわたしへ、のanswer

ここからは、2016年に書いた"5年後のわたし"に向けて書いた手紙のAnswerです。

 

初っ端からストレートにアラフォーですね、とかいきなり年齢でぶっ刺してくるのやめませんか。

過去の私に対して、人の急所を一発で仕留めるのはやめておいた方がいいですよ、というのはまずお伝えしたいですね。

どうせ無意識だろうけど。

 

今何をしてるか。

端的にいうと、無職です。

というと、聞こえが悪いので主婦ですと回答することにしてるのだけど、まあ要はコロナの煽りを食って2度目の無職になりました。

少し前まで心を削って働いていたので、しばらくの休養は良くも悪くも色々なことの棚卸しをするのにちょうどよかったかな。

子どもはまだいません。

ただ、ここ5年でようやくそのことを考えられる余裕が出てきました。

こればかりはどうなるかは天に任せるよりほかないですが、気持ちとしては無くもない、といったところまでようやくきたな、と思っています。

 

相変わらず、働けなくて苛々してますよ。

そして今はまだ東京に住んでいます。

幸いなことに、今のところダリンの転勤の打診はしばらくなさそうです。

いずれあるでしょうが、なったときに考えるけど、単身赴任になるんじゃないかな。

 

そしてオリンピックね!

そうそう。

歴史的な感染症の大流行で、なんとオリンピックが1年延期になり、無観客で開催されたので観戦はTV。

ラソンは札幌開催になるという異例づくしの大会でしたよ。

書いた時は本当に無邪気だったんだろうけど、あらためて何が起こるかわかりませんね。

 

それから、いけばなはまだ続けています。

予想している通り、今のところ"いちばん若い先生資格を持った人間"なので、下っ端仕事はばんばん降ってきてますよ。

花展になると道具と枝を持ってあっちこっちの先生に頭下げて走り回って、物を届けたり。

合同作品とかになると自分が中心でいけるようになったり、まあ個人の時には両隣は初めて出す人だったりと*5、まあいろいろです。

大変だけど、まあたのしくもあります。

今まで大して階級を上げていくことにも興味がなかったけど、まあぼちぼち教えてみたいなぁ、と思わないこともなくて。

まあただね。

場所の問題と道具の問題とお金の問題があるからどうしたもんかねーと思ってはおりつつ、教室的なやつをやるとかやらないとかは今後の課題として積んでおきます。

 

 

うつになって以降の人生は全てオマケのもの、というのは今もそう思ってます。

そういうもんよ。

相変わらずミニスカートもショートパンツも履くし、さすがに硬い靴は履けなくなってきているけど、ハイヒールも現役で履くわよ。

世の中の流れは、ヒールを撲滅しよう、みたいな話もあるみたいだけど。

やっぱり私はヒールが好きなんだよね。

 

カッコいい大人かどうかは自信がないけど、いうほど悪くない大人になってると思います。

 

*1:それ以前から別のサービスでは書いていて、いくつかの記事はこっちに持ってきました。

*2:しかも母は社会的な手続きにはあんまり強くなかったから、当時はほんとに気を張って生きてたと思います。

*3:今のダリンです。

*4:いいか悪いかは別ですが。

*5:面倒見ろ、ということですよね。

【本の感想】熱波師の仕事の流儀

レビュー概要

本書は古参のサウナーであり世の中にサウナを広く紹介してきたサウナーヨモギダ氏 (サウナーヨモギダ(ヨモギー) (@yomogida) | Twitter)による、熱波師の仕事と精神性をアーカイブする目的で書かれたビジネス書で、サウナの中でも一際ニッチな“熱波師の仕事“に焦点をあてたもの。

文章は平易で読みやすく、90年以降のサウナ文化のバックグラウンドや熱波師の仕事が生まれるまでの歴史について、またロウリュやアウフグースといった言葉の定義などが簡単に説明されていて、今サウナで話題の熱波やアウフグースの世界へのガイドとして楽しめます。

情熱大陸サウナ版“といった雰囲気の本で、新参も古参もライトユーザーもヘビーユーザーも温浴業界のステークホルダー全ての人が、今、関東近郊のサウナ界で起こっている出来事を紐解くための手がかりになるようなそんな1冊です。

 

ちなみにわたしは2017年頃から趣味として主に関東近郊の銭湯やサウナまわりをふらふらして週2、3のペースでひたすら入浴しているだけの新参寄りのサウナー*1です。

 

 

 

 

本エントリーの目次置いておきます。

  • レビュー概要
    • ゼロからイチ(土台を作ってきた人達)
    • 各章について
      • 箸休めサトシさん  
      • レジェンドゆうさん
      • 渡辺純一さん
      • 宇田蒸気さん
      • 大森熱狼さん
      • 五塔熱子さん
      • 井上勝正さん
      • 望月義尚さん
    • 考察について
  • 終わりに

 

 

以下ネタバレ含みますーーーーー

 

*1:未だに自身をサウナーって表現するの若干の違和感があります。

続きを読む

富山観光とスパ・アルプス

去年の10月末に行ってきた富山観光の記録。

しばらく途中まで書いて寝かせていたのだけど、時間ができて最後まで書けたのアップします。

 

 

2020年の10月の末から11月にかけて、Go to travelを使って富山旅行に行ってきました。

最初は施策にぶーぶー言っていたけど、海外には出られないし、いい加減都内で家と職場の往復にも飽きたし*1、ふつふつとストレスがたまってきたところでJR東日本の新幹線が50%offというのをきいてこれは北陸新幹線&サウナチャンスでは…?と思い予約を取って行ってきました!

上野からひゅって新幹線乗れるのいいな…。

 

今回は北陸の雄であるスパ・アルプスというサウナを目的に、リフレッシュを求めて。

アルプスは東の聖地しきじに行って以来、行ってみたいと思っていました。

あんまり大きな声では言えないんですが、昨夏にしきじに行った時、

“思っていたのと違うかもしれない……。”

という気持ちがあって…。

しきじ自体ははとても素晴らしい施設なんですが、いっときTVやメディアにあまりに露出したのもあるのだろうと思うのです。

平日の真昼間はめちゃくちゃ観光客だらけなんですよ…。

あんまり言いたくはないのですが、静岡まで来て最近サウナにハマったと思われるお客さんの

“静岡までサウナに入りにくる私♡

ここの水風呂が良すぎてもうここ以外の水風呂に入れない♡”

みたいな話を正直耳にしたくはないかなぁ。

地元の美味しいお店の情報とかなら大歓迎だけど。

 

以前から通われていた地元のお客さんはどこへ…?と思わず思ってしまいました。*2

施設の良さを否定をするつもりはまったくないのですが、東京から程よく近く利便性が高いのもあって、観光のお客さんが多くて、光景としてうーん……って思ってしまったのです。

自分も来ている以上、勿論その観光客の1人なので申し訳ないな、という気持ちもあってほんとうにいろいろ考えてしまいました。

 

 

今回の旅は、もうやだいい加減働きすぎだからちょっと旅行行くぞ、と言うダリンに、どうせなら入りたいサウナあるんだけど…?という私。

そんなわけで多少強引にじゃあ私アルプスに行きたいから富山に行こう!

と言って、富山に旅行してきました。

よく考えたら富山は今まで通り過ぎただけで観光したことがなくて、スパ・アルプスの噂を聞いたときにはちょうどいいじゃん!と思ったのです。

行ってみたらとても歴史のある土地で、1度ではとても周り切れないのでまた遊びにきたいな、と思いました。

お寿司がリーズナブルなのにめちゃくちゃ美味しいです…!!!!

あとね、ドーミーイン富山と野乃に泊まってきたのですが、野乃がとてもよくて。

ドーミー系はサウナ&朝ごはんが美味しくてすっかり虜になってしまいました。

 

富岩水上ラインで中島閘門*3を往復してきたんですけど、すごい面白い体験でした。

こんなのあったんですね!

水位が降りて行くのが中から楽しめるのめっちゃいい。

 

アルプス、とてもとてももう全然上手く書けないくらい好みすぎて通いたいです。

富山に滞在してる間毎日行ってサウナに入ってました。

水がすごい好み…!

シンプルがいちばんすばらしい、ということがこれでもかというくらい味わえる施設でした。

今まで遠征したなかでいちばん好きなサウナ屋さんでした。

何度でも行きたい。

というか、帰りたい。

あと食堂のご飯がめちゃくちゃ美味しいので行ったときにはぜひごはん食べてください!

地元の人はサウナアルプス、って呼ぶんですね。

 

この時の感想は詳しくはここで。

sauna-ikitai.com

 

sauna-ikitai.com

 

sauna-ikitai.com

 

 

私自身は超ライトな乗り鉄でもあるので、まだ乗れてなかった北陸新幹線も乗れて満足です。

 

 

以下旅程など:

【1日目】

上野駅富山駅→新湊散策→スパ・アルプス→ドーミーイン富山泊

 

f:id:iixxx:20201108134106j:image
(北陸新幹線上野駅)

上野駅、正面から見た駅舎は出発と到着の風情があっていいですよね。

いざ、雪の降る地域へ出発、っていう出発点とはるばる遠いとこから帰ってきたなぁ…という少し哀愁帯びた空気感が漂っていて、色気があっていいな。

というようなことを思うようになったのは、上野が身近になってからだなぁ、なんてことを思ったり。

東京駅は逆に哀愁よりも高揚感を感じる駅だな、と思います。

東京駅が陽なら、上野駅は陰。

 

f:id:iixxx:20201108140613j:image

(新湊きっときと市場)

f:id:iixxx:20210901163819j:image

(ベニズワイ/新湊)

ベニズワイは現地の食堂でで茹でたやつを1杯まるっと食べられるんですが美味しかったです…!

ダリンと2人で半分こしたんですが、私の解体スペースが速すぎて、

え?ちょ?ちょっ!早いよ、それオレのー!!

って言われて、

あ、ごめん。大丈夫ここまで!だから!

ってやりとりしたり。

うちは小さい時からわりと甲殻類🦐🦀🦞を食べる家で、お家にカニフォークがあったので甲殻類解体するのがみんな早いんですが、あれって慣れなんだ…!っていうのがわかったのは新鮮な発見でした。*4


f:id:iixxx:20210901163815j:image

(新湊大橋)

ごはんを食べた後は新湊の街を散策。

運河に橋が掛かっていたり、彫刻が置いてあったり。

新湊の街中は観光しやすいように整えられていて、歩くと楽しい。

(今回は車で来ちゃったけど。)


f:id:iixxx:20201108134044j:image

(スパ・アルプス)

建物の奥に晴れた日には美しい立山連峰が見えます。

北陸サウナの雄。

水風呂が良すぎて、入ったらでてこられません。

ここは古き良きサウナ屋さんの楽園ですか…?

楽園です。

ひたすら堕落できる。ごはんが美味しい。


f:id:iixxx:20201108134048j:image

(バイ貝とサスの昆布締め)


f:id:iixxx:20201108134101j:image

(生ビールはキリンとアサヒが選べます…!神!)


f:id:iixxx:20201108134058j:image

(富山ブラック)


f:id:iixxx:20201108134040j:image

(天ぷら)

1日目の夜ご飯はスパ・アルプスのアルプス食堂で夜ご飯。

サウナあがりにだらだらしながらの生ビール!

食堂はお座敷で完全にくつろぎモードでごはん。

この日はバイ貝のお刺身&サス(カジキマグロ)の昆布締め、富山ブラック、天ぷら、氷見うどん

生ビールがキリンとアサヒの両方選べるの嬉しい。

飲兵衛のことよくわかってる…!

あと魚介類がめちゃくちゃ美味しくてほんとびびった。

昆布の使い方がほんと凄い。

旨味の暴力…!

バイ貝美味しすぎて蕩けた。

あ。

ちなみにドーミーイン富山は女性側はミストサウナのみだったんですけど、温泉だったので夜と朝に両方入りました!

ふやけそうですね。

 

【2日目】

ドーミーイン富山→五箇山合掌の里菅沼集落→五箇山合掌の里相倉集落→富山市ガラス美術館→スパ・アルプス→お寿司屋さんで夜ご飯→野乃泊


f:id:iixxx:20201108134710j:image
f:id:iixxx:20201108134110j:image
f:id:iixxx:20201108134724j:image

(五箇山合掌の里菅沼集落、合掌造りと吾郎平さんでのランチ)

 

関連ランキング:郷土料理(その他) | 南砺市その他

 

f:id:iixxx:20201108134714j:image

 (五箇山合掌の里相倉集落)

午前中から富山市内のTimes Car Shareを使って世界遺産五箇山集落へ。

ダリンがここはどうしても行きたい...!と言って観光に組み込んだもの。

白川郷は行ったことがあるらしく、とても良かったようで、景観が好きみたい。

私はウィンタースポーツもしないのに雪のあるところに行くことに抵抗のある情緒もへったくれもない人間なので長いことうーん...、と言っていたのですが、秋の五箇山は哀愁を誘う景観で美しかったです。

ちょうど秋だったので、山々の紅葉が見事でした。

この景観を守ってきて、これからもそうして営みを続けてゆくことは大変なのだろうと思いつつも、この景観は保存されてほしいなと思う光景でした。

 

一方で道路を通行していると、こんなに山奥深くにある割に五箇山周辺の街道は整備されており、古くから人の往来がそれなりにあったことが予想できました。*5

歴史的に街道が発展していた印象を受けたので、なんだろうなぁ...と調べてみたら、五箇山加賀藩の秘密裏の軍事拠点だったのですね。

火薬の原料である塩硝の製造が一つの産業だったのは初めて知りました。

なるほど。

さすがに一筋縄ではいかない加賀藩

加賀藩はきっての大大名で、江戸幕府からすると譜代に近い外様のような感じだったと思うんですが、歴代の将軍はまあ関わり方が難しかったかもな、なんてことに思いをはせていました。

加賀藩といえば東大の赤門のイメージがありますが、あれは風情があっていいですよね。

富山の高岡も前田家が治めていたようで、なかなか縁が深い土地柄なのですね。

 

f:id:iixxx:20201108134052j:image

(富山市ガラス美術館)

ガラス美術館が入っている建物自体がかなり現代アートっぽいつくりで、歩いていて楽しかったです。

 

夜は富山駅近くの雑居ビルに入っている若い大将がやってるお寿司屋さんで夜ご飯。

お任せで握ってもらうお寿司はサイコーです。

しかもリーズナブルで美味しい。

昆布の使い方が最高に美味しいのと、魚介類が新鮮で刺身も寿司も最高!

さすが海鮮王国富山湾....。

なかでも白エビの軍艦とズワイガニの握りは美味しかったです。

そして野乃に戻ってから、また夜と朝にサウナと水風呂と温泉を楽しみました。

野乃の朝ごはん最高に美味しい!

野乃めっちゃ好きになりました。

 

【3日目】

富山県美術館→富岩水上ライン(中島閘門)→富岩運河環水公園→スパ・アルプス→富山駅上野駅

f:id:iixxx:20201108134720j:image

f:id:iixxx:20201108134717j:image

(富山県美術館とその屋上)

3日目は朝から前日と同じくTimes Car Shareで足を確保して富山県美術館へ。

先に富岩水上運河の時間を確認すると、次に乗れるのは14:15。

先に予約したあと(たぶん)、富山県美術館へ。

富山市内はかなり多くの美術館や博物館があり、ガイドを読んでいるだけでも楽しい。

城下町なのでもともと文化芸術に対する感度は高いのだろうけど、それにしてもこの規模の地方都市にしてはかなり多くて、観光するのはとても楽しいしありがたい。

富山県美術館は現代アートの展示が得意な美術館で、かなり駆け足でまわったのだけど間に合わないくらい見応えがある展示が多かった。

次に行ったらまた行きたい、と思うような。

富山出身の文化人がキュレーションした展示もよかったなぁ。

山内マリコさん、富山県の出身だったんですね。

美術館の屋上からは立山連峰の美しい絶景が見られるビューポイントなので、晴れた日にはぜひそこもお立ち寄り下さい。

立山連峰、いつまでも眺めていられる力強い美しさで、富山にいる間は山を眺めてはその景色にため息がもれた。

 

f:id:iixxx:20201108134055j:image

(富岩水上ライン)

f:id:iixxx:20201108134312j:image

(中島閘門の水のエレベーター/パナマ運河にもあります

f:id:iixxx:20201108134030j:image

f:id:iixxx:20201108134034j:image

(富岩運河環水公園と世界一美しいスタバ)

富岩水上ラインはダリンが面白そうだから乗ろうよ、と探してきた。

中島閘門、なんだそれ?と思っていたのだけど(往復すると75分くらいかかるし)、なかなか良かったです。

実際に乗船した状態で水のエレベーターに乗って水位があがったり下がったりするのを生で見られるのでかなり感動します。

これ、日本ではここでしか体験できないようなので、もっと知られてもいいのでは....。*6

中島閘門までの道中は、富岩運河(富山ー岩瀬をつなぐ神通川の隣に沿って作られた運河)を通って優雅な景色を眺めつつ、ガイドの方が様々な富山市神通川の歴史を話してくれて、なかなかに面白い解説を聞けました。

街を歩いたりしている最中疑問に思っていたことの答えや、神通川の話、富山市の歴史、水害との戦いなど、やはり苦難の道だったよう。

昭和の時代は化学工業都市として発展し、それに伴う様々な苦難も多かった土地だと思う。

神通川はその急流と水量で度々災害を引き起こしてきたはず。

立山連峰の厳しさと豊かさの両方を享受しながら発展した都市の歴史は、街中を歩いているだけでも想像がつく。

水が豊かである、ということは工業用水を求めている産業には当然目を付けられやすいわけで。

街の産業として考えたときに産業として受け入れると収入が増えて安定する反面、壊される自然も多くそれらと街づくりとの綱引きだったのだろう。

そういった時代を経て、平成になって観光用に街を整備して今の美しい街になったという話をきいて富山の街の歴史に思いを馳せた。

 

世界一美しいスタバ、はさすがに休日だったので混雑してました。

 

 

f:id:iixxx:20201108140617j:image

(富山駅

旅も終盤。

最後にスパ・アルプスに寄って、毎日通ったサウナと水風呂にお別れ。

アルプス食堂で食べたチャーハンはやっぱり美味しい。

富山の駅ビルで山ほどお土産を買って、帰路につく。

両親に富山のお土産何がいい?ときいたら、”生臭くない鱒寿し”とリクエストされたので探しに行くと、県内のいろんなお店の鱒寿しが売ってるお店がある。

それぞれポップに味のバランスが書いてあり、選ぶのに参考になってよかった。

余談だけど、鱒寿しの消費期限は翌日で短かったので、帰ってから翌日実家に届けに行った。

昔食べたことのある美味しい鱒寿しだった!

と後でLINEがきていたので、面倒だけど届けてよかったな、と思った。

家でも買ってきたけど、ほんとに美味しい。

次はどこのお店のやつにしようかな。

あと、コンビニとかで売ってた北陸限定のおかき、ビーバー(普通のと白エビ味)がめちゃくちゃ美味しくて、この後ネットでも取り寄せて注文することになる。

いやー、ほんとにね、美味しいんですよ、ビーバー!

開けたら最後、しょっぱうまくて止まらない。

ネットで通販やってるっぽいので、機会があったらこちらもぜひお試しください。

ビールのアテとして最高です。

 

hokka.jp

 

富山観光、楽しすぎてこの後春にも弾丸旅行をすることになったのはまた後日の話。

 

 

www.sauna-alps.com

 

www.hotespa.net

www.hotespa.net

*1:銭湯やサウナに行けてるので春よりはだいぶマシだけど、半径5kmくらいの移動でことが済んでしまう…。

*2:いるのはいるんだろうけど。

*3:水のエレベーター、パナマ運河にもある。

*4:自分で食べる分は自分で解体すべし!という精神で育ったので…

*5:これは宮崎の高千穂に行ったときにも似たような感じを受けたので、走っていてふーんと思っていたのです。

*6:世界でも体験できるところはあまりない。