妊娠よろよろ日記を買ったのは、去年の6月頃でちょうど妊娠14週くらいのことだった。
1ヶ月半前にTLに「本を出しました」というお知らせが流れてきていたのでこういう本が出ていたのは知っていた。
大町テラスさんの本は2019年に「お熱いのがお好き?」(kindle版)を買って読んで以降自宅のお風呂に入って長湯する時のお供にする時に度々読み返すくらいには好きなので読んでみたいと思ったのだけど、この本の内容がデリケートなことを想像するだに、また自分の状況もかなりデリケートな状況で読んだら刺さりそうなことはわかっているけど自分の妊娠の経過がどうなるかわからないのが怖かったのもあって買うかどうかをちょっと悩んだあと「もうすぐ在庫がなくなるよ〜」というお知らせが流れてきたのを機にboothで購入した。
商業出版ではない形式の本だったので*1、在庫限りで増刷されることはあまり考えられなかったからだ。
妊娠がわかってからの初期の2ヶ月はとにかく平常心で過ごすというのが難しくて、つわりを始めとした諸症状に悩まされたこの時期は流産のリスクが20%程度あってまだちゃんと生まれてくるかもわからないこともあり(もちろん生まれてくるまで何が起こるかわからないのが妊娠/出産だけど初期の流産は妊娠全期を通して突出して多い)、本を購入してさらっとページに目を通したあとはしばらく積読状態になっていて、実際に読んだのは妊娠32週を過ぎた頃だった。
自身の妊娠期間も終盤になりそろそろ読んでも大丈夫かな、という気持ちになったからだ。
本に描かれているのは大きくわけると、妊娠がわかるまでの導入/27週以降の妊娠期間の記録/出産の記録の3部構成で、コロナ禍真っ只中の2020年の妊娠期間の生活を絵で描かれている記録がメイン部分となっている。
難しい日常を強いられるなかでも極力不穏な空気感を注意深く排除されながら妊娠後期の日々の生活を描かれていて、自身の妊娠生活の参考になった。
妊娠中はあまり多くの情報を入れたくなかったのでこの本以外の体験談もほとんど読まずに出産に突入してしまったのもあり、最終的にわたしも緊急帝王切開になったので出産の部分を読んでおいてよかったです。
他にもサウナの話は先にさらっと目を通しておいた時に知ることができてよかったと思う。
わたしもサウナが好きだけど、ネットのどこを探しても日本における妊娠中のサウナがいいとは書かれておらず基本的にはやめとけ基調なので*2、でも入れるならたまにでいいから入りたいし〜〜〜、かと言って主治医に相談しようにもダメって言われたらもう立ち直れないしどう相談しよう…という悩みに応えてくれる唯一の本だった。
実際ネットに転がっているいろんな人の妊婦記録を読むと、サウナも入ってる人はいることにはいるし、夏の海やプールで泳いだりしてる人もいないことはないんだけど、総じて個人の判断に委ねられる部分であり、いいとは言えない、安全性を考えてやめておいた方が無難という結論にはなるのだけど、主治医と相談して自分の判断で入るということもできなくはないというのが知れたのはよかった。
実際自分も主治医と相談していろいろ考えた結果、安定期以降は脱水と転倒に十分な注意を払ってサウナに入っていた。
通常より体感ちょっとのぼせやすいので、時間は短く、セット数は少なく、物足りないくらいに留めてガツっと入らないことといつもより多めの水分補給を意識してました。
サウナに入ってると、わたしも昔妊娠中にサウナに入ってたわよ〜とおっしゃる方に遭遇したりしたのでサウナに入ってる妊婦も少ないけどいるにはいそう。
推奨はしませんが…。
お酒は諦めるけど全方位で10ヶ月ずっとあれダメこれダメと禁止事項で締め上げられるのは相当きついし、自分は妊娠を考える時にサウナに入れなくなるかもしれないというのが本当にネックだったのでこの本を読めて本当に良かったです。
大町テラスさんの本は、読んでいるとあー、そうそうこんな気持ちになることあるよね〜と思うような30代女性の描写が丹念に描かれていることが多くて、読後にほっこりした気持ちになるのがいいなあと思っている。
妊娠よろよろ日記は出産までしか描かれていないのだけど、ベビちゃん誕生後の話は続きみたいな感じで「ハラが減っては育児はできぬ」(全2巻)に続いていて続きが読めるのもいい。
昔から赤子に対する解像度が著しく低い生活をしているので、ベビが出てきてからもわりと雑にまあこんなもんやろという感じで育てていたので、ミロちゃんの成長を読むとこんな感じで育って行くのかーと参考にしています。
「お熱いのがお好き?」を読んだ時に、なんとなく著者の大町テラスさんはお子さんがほしいのかなと思ってたので、出産の報告が流れてきた時にはよかったなと思っていたのを思い出しました。
妊娠よろよろ日記、買ってよかったです。