少し前、たまたま大学生や現役社会人と話す機会があった。
そのとき話したことで、「社会人として生き抜くために大切なこと」というのがテーマにあった。
若手の現役ビジネスパーソンの話をきくととても興味深い。
彼らは現場で罵倒されたり夜遅くまで残業したりと、結構ハードワークで働いている人が多くて、厳しいところをくぐり抜けてきているのが話をきいていて分かる。
それぞれがそれぞれの人生観がでていて(中でも結構多かった回答は「期限を守る」「相手の時間を大切にする」ということだった)、きちんと仕事をしてきている人たちだな、と感じた。
そんな中で、ここ1年はすっかり仕事から離れてしまっているわたしは、そのときやはり「時間を大切に扱う」ことが社会人として大切だと回答したのだけれども、後からどうにも気持ちにしこりが残ってしまい、しばらくもやもやした。
本当に、大学生の彼・彼女たちに伝えたかったことはそれでよかったのか?
決して嘘だったわけではないけど、その答えはわたしの伝えたいことの核心から3cmくらいずれている気がした。
普段あまりビジネス脳を使わずに生活していたので、正直すっかり回転は錆び付いていて、うまく伝えられないのはそれが原因のような気がする。
しばらくもやもやしていたので、個人的なもやもや解消のために、私が社会人として生き抜くのに大切にしている3つのことを書いてこうと思う。
その3つとは.....
-
謙虚
-
素直
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パッション
である。
「謙虚」と「素直」
どういうことか?
まずはデジタル大辞泉から引用してみたい。
けん‐きょ【謙虚】
[名・形動]控え目で、つつましいこと。へりくだって、すなおに相手の意見などを受け入れること。また、そのさま。「―な態度」「―に反省する」
す‐なお〔‐なほ〕【素直】
[形動][文][ナリ]
1 ありのままで、飾り気のないさま。素朴。
「―なる山家 (やまが) 育ちのたのもしき所見えて」〈露伴・風流仏〉
2 性質・態度などが、穏やかでひねくれていないさま。従順。「―な性格」「―に答える」
3 物の形などが、まっすぐで、ねじ曲がっていないさま。 「―な髪の毛」
4 技芸などにくせのないさま。「―な字を書く」
5 物事が支障なく、すんなり進行するさま。
「餌食を―に与へざれば、痩せおとろへてぞありける」〈仮・伊曽保・下〉
簡単に言うと、 「人の話を聴く」ことを心がける、そして「きいた話は実践する」ということ。
社会人になってみると(ならなくても)、案外難しい。
人はどうしてもそれまでの自分の生きてきた価値観の中で物事を判断しがちなので、突拍子もない意見は聞き入れるのが難しい。
例えば、
「結婚相手は業界外の人で、背が高くて、頭が良くて、お金も稼げる人がいい!!」(←要は3高がいい!ってことです。)
という考え方をしていると、身近にいるメンズはデートには行っても”結婚相手としては除外”と思っていて、「結婚したい相手がいない」とか言って、周りが「件の彼良くない?付き合ってみれば〜?」と言っても無視し続けて、結婚相手候補を逃したりする。
(過去の私のはなしです。)
私が相方と付き合い始めたのは、そろそろ本格的に人生の行き詰まりを見せた頃に、尊敬しているお姉さん達から、「(会う男をガンガン切っていくのにに珍しく切らずにいる様子を見て)そんだけ長く飲み友達やってるなら、付き合ってみれば?嫌ならやめればいいんだし。」と言われたことがきっかけでした。
「社会人なんだから、同棲して彼氏の家から仕事行ったっていいんだし。」
と言われて、そういう発想って私にはなかった....!そっか。それでいいのか。
という感じで腹落ちして、気がついたら結婚してました。
行き詰まってから、私ははじめて人の話を聞いて実践したのだけども、もっと素直で謙虚であれば、とりあえず言われたときに、言われたことをまず実践している。
そうして”よくわからないけど、まああの人がいうなら間違いないよね”ってことを、実践できるということが、つまり「謙虚」で「素直」なのだとわたしは思います。
そうやって人の話を聞ける人は、観察していると男も女も例外なく稼げる人になっているし、めちゃくちゃモテます。
そして、ちゃんとした人が面白がっていろいろ教えてくれるので、(若いうちは特に)謙虚で素直な人の得られる経験値はそうでない人の何倍も大きいです。
こういう風に書くと、じゃあどんな人の話もきいて実践しなければいけないのか?と思うかもしれないけれども、それは違います。
世の中には残念ながら、嘘を教えたり、服従を迫ってきたりする大人はいます。
そういう人の話は、もちろん無視していい。
それを見極めるには、経験値が必要です。
だからやっぱり、話をきいて、やってみる姿勢はとても大事。
これが、私の思う「謙虚」と「素直」の話。
パッション
パッションとは、言葉にするのが難しく感じる。
ランダムハウス英和辞典を引いてみると、いろいろ意味が出てくるのけど、一番適当かなぁ?と私が思う説明は、1で出てくる「情感(emotions)」や3の「熱中、夢中になるもの」というのがいちばん近い。
passion
1(愛・欲望・怒り・憎しみ・悲しみ・喜びなどの)情,感情(emotion),(特に)強い感情,激情,熱情;<the passions> (理性と対比して)感情,情感(emotions)⇒FEELING【類語】
2
(1)激しい愛情,恋慕(love)
(2)<しばしば passions> <やや古> 色情,情欲,欲情(lust);(具体的な)愛欲,情交.
(3)<やや古>恋愛[情欲]の対象,恋人,愛人.3
(1)(物事に対する)熱,愛着,熱中,熱狂<for ...>
(2)熱中[熱狂,愛着]の対象,夢中になるもの,大好きなもの4<a passion> (激情の)爆発,激発(outburst);かんしゃく,激怒
5受動(⇔action):特に外部の異質なものによって影響を受けること.
6<しばしば P->〔神学〕 キリスト受難.
(1)十字架上のキリストの受難;最後の晩餐ばんさん以後のキリストの受難.
(2)四福音書に記録されたキリストの受難の物語(cf.〔聖書〕 Mark 14-15など).
(3)キリストの受難曲(Passion music).
(4)キリスト受難劇(Passion play).7<古> 殉教者の受難,殉教(martyrdom).
8<廃> (肉体・精神の)病気,悩み(suffering).
ランダムハウス英和大辞典
要するに、伝えたいことは、
- 夢中になるくらいすきなことがあるということ
- 仕事は情熱を持ってするということ
- 自分が発することばに”温度をのせる”ということ
といった感じのことだ。
「志をもつ」ということにも近いだろうか。
わたし自身は結構アホである自覚があって、結構すぐに流されて天狗*1になることが多い。
当然そういう風になっているときは、周りも空気を読むので、「あぁ、あの子今天狗だわ〜」と思われていて、基本的には”お近づきになりたくない”人間になっている。
そういう時は、「お金を稼ぐ」ことが楽しかったり、「たくさんのデートをする」ことが楽しかったりするのだけども、そこには指針も心もない。
それで、そのまま行くと当然失敗をするのだけど、そうして失敗したあとは、やっぱりパッションが指針になって、謙虚な気持ちで自分を立て直すことができる。
あるいは、「類は友を呼ぶ」というのは割とほんとうで、パッションを持って生きている人のところにはパッションを持って生きている人が集まってくる。
そういうときは、いろいろな情報が集まってきて楽しい時間が過ごせるし、 私自身は「パッションを持って楽しくいきている人になりたい」ので、とても楽しい時間を過ごせたりする。
病気になって自分自身にはもう何もないな、と思うことがあっても、パッションを持って生きてきたら、そこから抜け出すカギをつかみやすい。
何より、わたしが好きなイケてる大人は例外なくパッションを持って生きている。
わたしは、そういう”イケてる大人になりたい”という想いが強いので、その人達がやっていることを真似しているのだ。
そんなわけで、私が社会人として生き抜くために大切にしていることは「素直」「謙虚」「パッション」の3つである、ということが本当に伝えたかったことだと思います。
最後に、私は1950s、60sに活躍したフランス女優のBBが好きなのですが、大好きな彼女の言葉を引用します。
ともかく、人生を百パーセント生きなければならない
ブリジット・バルドー
全然余談ですが、今週からベンチャーのような中小企業のような会社で派遣で働き始めました。
毎日ぐうたらしていたので、出勤するのが辛いです。(10:00出勤なのに...!)
*1:”わたしすごいでしょ”って態度にでること