【湯活】Oct 8'22 殿上湯

殿上湯の閉店を知ってから、なかなか来られなかった。

9/11に来てから、残りのカウントダウンをする勇気がなくて。

 

 

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来られなかったわけではなく、ただ閉店の事実受け入れられなかった、のかもしれない。

来たら閉店を受け入れなければいけない。

ここを知ってからは四半期に1回くらいのペースで定期的に訪れていたので、夏に閉店のニュースを聞いたときは、驚きよりもやっぱりな、という気持ちがあった。

 

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5月のこれを書いているとき、あぁ...と思わなかったとは言えない。

一瞬、脳裏に閉店の可能性はよぎった。

でもまだ週4日営業してくれるのであれば、これは高騰する燃料代のせい、ということにしてもいいのではないかと思った。

いつか以前の日常に戻ったときに、営業も戻るのではないか、と思いたかった。

 

殿上湯は私にとって、確かに”日常の延長線上にある”銭湯だったのだ。

特別の日に行くところではなく、疲れて帰ってきて、少しの元気を絞ってくるのがここだった。

 

アツアツの熱湯に、季節ごとに変動する地下水の水風呂。

ぐらぐらと深さのある熱湯に入っていると、思考も自然にとろけてきていつの間にか疲れを忘れる。

もう入れなくなるのか....と思いながら、たぶんお別れに入りに来ている、いつもより少しだけ多いお客さんたちと少しの時間を共有して。

 

みんな思い思いにおふろに入る夜の時間。

それぞれの時間をそっと尊重するような、やさしい空気の流れる時間。

山の湯に入ったときも確かにこうだった。

 

銭湯やサウナに入るようになってから、見送ってきたお店はたくさんある。

蛇骨湯稲城浴場、相模健康センター、JNファミリー、山の湯、御徒町のプレジデント...

とうとう自分の通っていたお店を見送る番がきた。

 

どことも、違う。

 

最後の3連休は、最後まで営業をみていたい。

入りに行くつもりで、います。

 

ロビーに積みあがっていた殿上湯のTシャツとステッカーを買って、チャリで帰ってきた。

 

そうか。

ここが閉店したら、田端の高台通りを富士見橋を通って走ってくる機会も、きっと減るのだな。

夜の高台通りは、ほどよく心地よくて、チャリで通り抜けるのが好きだった。

 


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はじめてここにきたのは、2018年7月5日だった。

水質がいい、と銭湯好きの噂をきいてここにやってきたのだった。

昔ながらの銭湯らしい銭湯にきたのはめずらしくて、お湯と水の別れているカランに物珍しさを覚えたのだった。

この時のペンキ絵は中島氏の絵だった気がする。

(今は田中みずき氏の富士山と桜のやさしいペンキ絵になっている。)

 

 

 

今日のBGMは「ひこうき雲」(ジブリのピアノジャズ)だった。

今日の気分にぴったりで泣いてしまうな。