Day21、ニューウイング。
ひそかに、佐世保のサウナサンと似ていると思ってる。
違うといえば全然違うんだけど、入ったときにほっとする感じが似ている気がする。
兄弟というよりは従兄弟っぽい。
ニューウイングのアジサイは支配人の手によって育てられている(らしい)
はじめて訪れたのは2020年の2月18日だった。*1
いつものごとく、行くか行かないかをすごく悩んで足踏みしていた。
SNSではみんなレディースデーにわくわくソワソワしていて、純粋に楽しみにしている人が多く、現地ではたくさんの"偶然さん"がうまれていそうな感じだった。
人が集まるイベントはあんまり得意じゃない。
大体、私は社交が苦手だ。
仕事であればちゃんとした感じの人の仮面をかぶった大人をやってる素振りはできるけど、初対面の人と会話すると疲れてしまう。
この頃(2020年)は精神不安定もそれより前と比較すればだいぶマシになって、外に出てみてもいいかというメンタルも多少あったけど、それでもやっぱり、わーっと人が集まってわいわいやってるのを眺めると、自分もその輪に入らなければいけないのでは、という強迫観念に駆られる(そして疲れる)。
2月のこの時は14:00〜21:00まで完全にフリーで催されていて、スタート時間の14:00前にけっこうな人が並んでいるいうSNSを見て怖気づいてしまい、やっぱり行かなくてもいいかな、となっていたのだ。
大陸からきた謎の伝染病*2についても少しずつ話題になっており、生活にうっすらと暗い影を落としていた時期だった。
15:00をまわったところで、それでも入っておかないと入れる機会がそうそうないかも!となって、夕方に重い腰を上げて錦糸町へ向かった。
サウナはめちゃくちゃに混んでいて、ボナは時間によっては並んでなかったけど、テルマーレはめちゃくちゃ順番待ちをしていた。
誰かがこの日のことを「一生分のお尻を見た」と表現していたけど、まあ確かにそういう側面もあった。*3
そこかしこでSNSの人たちが邂逅を繰り返していて、ニューウイング全体が熱気に包まれていて圧倒された。
夕方の5階のTVでは競馬が流れていたような気がする。
それでも、泳げるプールや水圧の強いシャワー、二股カルシウム温泉の熱湯を1人で愉しんでいると、なんだか心地よくなってきて、ニューウイングのつくり出すだらだらした空気に惚れたのだと思う。
ニューウイングを存分に堪能したのは、2020年の5月30日だった。
緊急事態宣言でほぼ外出が禁じられていた2ヶ月を経て、6月から営業を再開するというニューウイングは、その直前の土日を宿泊のレディースデーに設定してくれたのだった。
人数は絞られていて、定期的に掃除もしてくれるという。
仕事帰りにまだ残っていたチケットを予約した後で、1人で宿泊とか何年ぶりだろうな、と思った。*4
ダリンを説得しなければ。
半ば強引に説き伏せたけど、以後少しずつサウナ泊が増えていくきっかけになった。
もともとはひとり旅をする方だったのだけど、しばらくそういう機会を失っていたので、自分の感覚を取り戻すいいきっかけになった。
この日は人数が絞られていたから、とても快適に入ることができて、この日にここに来られたことを本当に感謝した。
ボナもテルマーレも入りたい放題だったし、ライトアップもしてくれたし、深夜には貸切状態のボナやテルマーレを堪能した。
深夜にTwitterでサウナ空いてるぞ〜、ってツイートされたら入りに行ってしまうよね。
ニューウイング深夜1時サウナ1人だと思われる。いいのか女子たち#NWカプセルレディース
— ニューウイング吉田 (@newwingyoshida) 2020年5月30日
サウナに入りすぎてすごく疲れちゃったけど、朝までたっぷり満喫して楽しみすぎて、帰ってから爆睡した。
ニューウイング、好きだったけどさらに大好きになって、かけがえのないサウナになったのはこのときだと思う。
緊急事態宣言中の2ヶ月ずっと強制サ禁を強いられて、解禁1発目に入ったニューウイングのボナの気持ちよさは忘れられない。
身体の隅々まで熱が行き渡るのを感じて、あー、サウナってこういうものだったよね、と喜びで泣きそうになった。
その後の2020年の12月、2021年の11月、2022年の6月、9月と開催されたレディースデーに運良く入れて、入るたびにサウナをほんとうに堪能している。
特に6月にできたからからジールは衝撃だったなぁ…!
いやもう好みすぎて、入った瞬間に恋に落ちてしまった。
この世にこんなサウナをつくる人がいるなんて…!
ラジオが流れるサウナって最高すぎませんか…?
フィンランド式の高温高湿&ロウリュ*5が正解だと言わんばかりの最近の流行に逆らって、新しいサウナはまさかの"からから"。
からから好きの同士は歓喜したのでは?
からからとは言っても、昭和ストロングスタイリングを彷彿させながらちゃんと令和版にアップデートされていて、女性たちは口々に"サウナの変態が作るサウナはいい!"とほめていたり、ニマニマしていたりした。
ヌシ席人気だったけど、私はその対面の奥から2人分くらい開けたジールストーブの角に当たる部分がいちばん好きだ。*6
9月に入った時にはジールが熱くて、ボナの温度がたぶんちょっと下がったので、本来のボナが楽しめてちょうどいいバランスの設定になったなと密かにニマニマしていた。
いつも緊張しながら錦糸町に向かって(大体予定より1時間遅れる)、サウナに入ると緊張していたことを忘れて、ビールを飲んだらさらに出来上がり、帰る頃にはとろとろに溶かされてる気がする。
ニューウイングには眠りにいっているのだ。
適度な人の気配と話し声をバックに、5階でごろごろしているうちにすーっと眠りに落ちてしまう。
普段家でもあまりうまく眠れないので、こうやって眠れる場所はとても貴重。
なんでだかここでは眠れる、というかうまく休めるような気がしている。
ほんとうに。
この世の楽園なんです、ここは…!
これは2020年の12月のレディースデーのとき。
もらったロッカー鍵は運良く37番だった。
37番。
何もないはずがないですよね。
見られる機会があったら、ぜひ確認してみてください。
わたしの大好きな赤い椅子は、浴室に来る前に入り口にあったのです。
赤い休憩椅子のはなしを書いた