3号線の記憶

はるか昔のツイートを遡ってみたら、大して意味のないことばかり呟いていて思わずふっと笑ってしまった。

仕事のこと、人生のことを若さに任せて呟いていて、内容がきらきらしていて今読むとクラクラする。

若いっていいなって思う反面、恐ろしい。

 

 

時代もあって、リプがつくかつかないかも全然気にしていない使い方がおもしろい。

この時代はインフルエンサーが隆盛し始めてきた頃だけど、若さと過激な表現が売りの人が多かったからそんなにその影響力に感化されなかったのもあって穏やかに使えていたのかな、と思う。

インフルエンサー、あんまりカッコいいと思えなかったんだよ、当時の私には。

なんとなく自分から見るとイケてるようには思えなかったんだけど、SNSを眺めている限りはそれがイケてることっぽかったから、なんか自分の感覚が変なのかもしれない、とは思ってた。

 

 

 

月から金まで本当にこの仕事向いてないな、と思いながら会議と数字と書類と電話と嫌味に忙殺されて。

ようやく週末になって、終電近くで街に出かける。

キラキラのメイクを施して、ドレスとハイヒールで街へ繰り出す。

夜の街として有名なこの街は、あちこちにナンパ目的の人が歩いているのでいつも少し緊張していて、のんびりタバコも吸えなかった。*1

24h営業のファストフードでコーヒーを飲んでひと息ついて、待ち合わせをしている時は友達と落ち合って、目当てのお店で一晩中飲んだり踊ったりしていた。

別に踊るのが上手いわけじゃないけど(どちらかというと下手だと思う)、爆音のEDMを聴きながら身体を揺らすのが、平日の緊張感を解くのにちょうどよかった。

お酒を飲み過ぎて踊ると酔いが急速に回ってしまうので、飲みすぎないようにして。

普段はどちらかというと場によっては酔ってしまうタイプだけど、この時だけはちゃんと気を付けていた。*2

下手すると頭から足先まで仕事にべったり浸かって疲れ切った脳に、肉体から刺激を入れて一時的に脱皮する。

それでどうにか日々の生活のバランスをとっていたような気がする。

とはいっても、決して普段の生活からはそういうことをしているようには見えないタイプだったと思う。

昼間はめちゃくちゃ真面目にOLをしていた。

昼の顔と夜の顔をこっそり使い分ける楽しさがあったのは否めない。

 

 

 

始発が出る頃になると、お店も閉店の準備を始める。

一晩中アルコールと音楽とタバコの煙を浴びて、筋肉痛で足が痛くなるまで苛めた身体を引きずってお店から出る。

冬は刺すように冷たい空気でまだ真っ暗な空間に喉がひゅっとなり、夏は表に出た瞬間の眩しさに思わず目を細めてしまう。

だいたい一晩わいわいやって連絡先を交換した知り合いと別れて、夜中まで営業していた花屋が閉まっているのを眺めて、首都高の下を渋谷に向かって歩き出す。

何人かはタクシーを拾って景気良く家に帰ってゆき、多くは坂を登っていく。

朝から寿司やラーメンを食べに繰り出す人も一定数いた。*3

 

 

 

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夜明けの時間の渋谷までの2kmくらいは、脳のクールダウンにちょうどよかった。

しんと静まりかえるなか、ときどきランニングの人とすれ違う。

歩きながらあそこは取引先のビルだな、とか、建物のデザインを眺めたり、学校の横を通り抜けたり、バス停の停留所でどこを走る路線のバスなのか眺めたりして、朝のこの時間の散歩が好きだった。

街が夜から朝の顔になっていく。

 

 

渋谷の駅はさっきまでいた街と同じように、オール明けの酔っ払いで溢れている。

朝まで飲んで休前日を楽しんだであろう面々が、始発が走り始めるとあちこちのお店から出てきていつもカオスだった。

電車の走りだす音をききながら、宮益坂下の喫煙所でまた一服して、いつものように山手線に乗った。

 

 

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なぜこんなことを書こうと思ったかというと、先日の文フリでもらったフリーペーパーに3号線の話が記載されていて、それを読んでなんとなく書こうかなと思って書いた。

あんまり深い理由はない。

 

 

 

 

 

 

 

 

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(これらはAIのイラスト)

 

 

*1:断るのもあんまり得意でなくて慣れるまで大変だったし、ぽやぽやしていたのでその街にいるのは珍しいタイプだった気がする。

*2:夜の街でべろべろになるとロクなことがないので。

*3:だから朝ラー需要あったのか!

春の不調で毎日眠っている

ここのところ、調子が悪く毎日眠っている。

いつもは眠りが浅いけど、わりと熟睡しているな、という印象。

昼も夜も眠りはそこそこ深い。

 

 

 

花会を終えて


4/9に花会があった。

そこまでは1ヶ月くらいなんのかんのと気を張りながら生活していたので、無事に終わってほっとしている。

4年ぶりの花会は東京では初めての春の開催で、会場も初めてのところだったのだけど、動線が動きやすくて良かった。

このくらいの感じだととてもありがたいな。

 

 

コロナ禍の東京の教室運営はなかなか厳しそうで、オンラインも導入しているけど、人はだいぶ減ってしまったので今回は出瓶の数がそんなに出ない。

数だけで見れば過去最少で、開催前には正直どうかなぁ、心配していた。

けれども、いまも教室に通っている人は長くやっている人が多いからか全体的に技術の底上げがされていて、勢いのある作品が多く、なかなか華やかな会になったのではないかと思う。

 

 

そういえば月のうちの1日は、いけばな教室から研究会に名称が変わっていた。

確かにその曜日に来てる人は8割くらいが先生資格を持っているのでまあ研究会にするのが正しいと思う。

別の曜日は先生資格持ってるのは4割くらい。

わたしが最近出入りしているのは研究会の方、ということになる。

まあやってることは変わらないのだけど。

 

 

今回は直前までどのくらい動けるかわからなかったのもあって、メインで動く委員にはならず前日と当日にリベロ的に動けるポジションにしてもらっていた。

自分の作業場所の周りはわりといつも初めて参加組が配置されることが多いので*1、フォローしてね〜ということだなと解釈することにして、毎回適当にフォローしている。

 

 

今回もそんな感じだった。

自分が初回に参加した時にけっこう困ったので*2、そのポイントくらいは抑えておいて、技術的なフォローはベテランの先生を呼ぶんだけど、初参加だと誰がどのくらい長くやってる先生かわからないし、声かけずらいのもあるもんなぁ…。

まあそういうことやってるからか、現場にいると便利屋としていろんな先生に捕まる。(いいけど)

 

 

ひさしぶりに参加した花会は疲れたけど、盛会でよかったです。

お友達も来てくれてとっても楽しかったです。

おみやげごちそうさまでした。

美味しくいただきました。

 

 

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今回の出瓶したもの(花海棠とハウチワカエデ)

 

 

 

サウナと銭湯


さてそんな感じで花会を終えたあと、諸事情があってしばらくサウナに入れなくなりました。

次に行けるのはいつになることやら。

ここ5年くらいはサウナは生活の一部だったのでこの状況にかなり戸惑いを覚えていますが、まあぼちぼちやろうと思います。

なんとか、なる…?

まあわからんけど。

 


サウナとはしばしのお別れ。

銭湯は行けそうな時には時々入りに行っています。

ただあんまり調子がいいわけじゃないので長湯はできないし水風呂は入れませんが、ぼちぼち、といった感じです。

 

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体調の隙を見て時々入りに行っています

 


TLに新しいサウナの情報が流れてくるたびに、あそこに行っとけばよかったな、とか思うところはあるのだけど、しょうがない。

ロウリュウ姉妹にはもう1回くらい会いに行っておけばよかったなぁ…

東名厚木健康センターのママに会いたかったし、もう少し去年は厚木に行っておけばよかった。

後悔先に立たず。

眞白ちゃんのふろくにラスト熱波を受けに行きたかったし、ニューウイングのレディースデーも行きたかったな。

機会があったら、またいつか。

 

 

最後に受けたアウフグースは、赤坂サウナ祭りの熱子さんのサウナリチュアルを取り入れた新しいアウフグースだったので、あれが受けられてよかったな。

無事にいしさんにお会いできたのはよかったです。

3月のサ旅で、ダリンと2人でアウフグースを受けられたのもよい思い出になりました。

最後に受けたのが熱子さんのアウフグースでよかったな。

アウフグースの原型みたいな形の時に初めて受けたのが熱子さんのアウフグースだったので、初めても一旦の締めも熱子さんのアウフグースになったのはなんだか縁を感じます。

 

 

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こういうサウナの大がかりなイベントに参加したのは、たぶん初めて。

サバス、どうしても乗ってみたかったんだよね。

 

 

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サバスのサウナストーブはHarvia

 

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ボタンを押すとロウリュができる仕組み!

面白くて何度も押してしまう。

 

 

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あいにくの雨だったけど、ちょうどいい外気浴ができて楽しかったな。

 

 

 

サウナリチュアル、よかった。

いつか鳥取でもウィスキングが受けられる日がくるのかしら。

あそこの空間のテントサウナとかでウィスキング受けたら気持ち良さそうだよね。

私、いままでちゃんとしたウィスキングって受けたことがないんですが、去年の秋にグループウィスキングのミニ版みたいなのを受けたことがあって、それで概念変わったんですよね。

それまでは、ウィスキングってよくわからないし、一生懸命熱心な女子サウナーたちに混ざってウィスキングの争奪戦に参加するのも疲れちゃうし、まあ別に普通にサウナに入ればいいかな、ってくらいだったので。

でもミニ版を受けてみたらすごく良くて、これはいつかフルバージョンを受けてみたいなぁ、と思う気持ちよさだったのです。

どんどんウィスキングも広がっていくといいな、と思います。

 

 

 

春のオリックス・バファローズ


野球は相変わらず、観られるくらいの体調の日はオリックスを応援しています。

今シーズンはぜひとも優勝してほしいです。

まだまだ気が早いけど。

オリックスはこの時期に上位にいることがあんまりないので、見ててむずむずしてます。

 

 

宮城と田嶋2人で既に8勝しているので(4勝ずつ・5/13現在)、エースの由伸の後半の復調に期待し、山岡にも早く勝ちがつくといいな。

舜平大を楽しみに見つつ、福也の奮闘に期待…!

黒木も頑張ってほしいし、中継ぎ陣の比嘉、近藤、颯一郎、宇田川、本田、阿部、曽谷、吉田、小木田、ワゲス...etcの継投も楽しみです。

今年は圭太と紅林には3割打ってもらいたいです。

あと個人的には池田が上がってこないかな〜と密かに期待しています。

まだしばらくかかるかもしれないけど。

若い選手がのびのびプレーしてるとこ見るのが好きなので。

中嶋監督には長く監督をやって欲しい。

あんなに喜怒哀楽がめちゃくちゃでる監督ってなかなかいないと思うけど(いい悪いはさておき)、それが今のオリックスのカラーだと思うので、ベンチのサメさんにはいつもつい目がいってしまいます。

まさかのリーグトップ!(5/13現在)

まだ5月だよ...

 

 


今シーズンのMリーグ


秋から見始めたMリーグ(麻雀のプロリーグ)は終盤戦に入ってきました。

推しのU-NEXT Piratesはセミファイナルで負けてしまってファイナル進出を逃してしまったのですが、前半苦戦したけれど後半のセミファイナルは見応えがありました。

残り8試合、今年はどこが優勝するのかな。

手に汗を握る展開が続きます。

プロ雀士は俳優、声優、モデル、タレントを筆頭に多彩な職と掛け持ちしている方も多いわけですが、ついにプロ棋士鈴木大介氏が日本プロ麻雀連盟に所属するということで2足の草鞋も楽しみです。*3

今後ますます見る雀のファン層の拡大で、ゆるゆると人気が広がっていきそう。

今シーズンのMリーグは面白かったです。

賛否両論あると思うけど、わたしは雀士より早く鳴く日吉さんの実況が好きです。

どう進化していくのか楽しみです。

 

 

 

音声配信


3月の1週目に、5月まで毎週配信しますと言って翌週から更新ストップしていてごめんなさい。

話せばいろいろあったんですが、体調があまり芳しくなく、その後は旅行に行ったり花会の準備をしたりでずるずるときてしまいました…。

折を見て録っていきたいとは思っているのですが、ネタはあまりないかもしれません。

幾つかはやり残してることがあるので、順次配信していこうと思っています。

 

 

 


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*1:たぶん意図的だと思う

*2:その時はほぼ全員が初めてだったので現場の混乱が極まっていた

*3:現在日本のプロの麻雀団体は6つあります。

#もう一度生まれる

前回、月刊サウナ(2023.3.26号)のレビュー記事書いた。

 

正直なところしばらくメンタルがまいっていて、レビューを書くことで自己嫌悪に陥ってしまう状態だったので、SNSにもあれこれ書いたりするのもやめようと思っていて、でもふちうさんのやつは感想書いておきたいしな、と思って、書くだけ書いたものの、SNSでの拡散はしなかった。*1

実際、blogを書いても意図的にTwitterに連携しない記事も時々あるので、いつものこと、と言えばいつものことだったんだけど。

ここに書いておくと、読んでほしい人には大体届くようになってきた気がする。

 

 

自己満足のためにずっと書いているので、読んでも読まれなくてもどちらでもいい、と思いながらblogを書き続けているのだけど(そうしておかないとblogは長く続かないので)、最近は記事を出すごとに大体誰かが読んでくれているのはありがたい。

 

 

お友達からの1通のDMでジャック&ベティへ

 

iixxx.hatenablog.com

 

 

 

2023.3.26号は珍しく豪華な内容が掲載されている月で、現在公開中の映画「もう一度生まれる」の堀川監督と井上勝正さんの対談や、ソナーポケットというバンドメンバーと井上勝正さんの対談記事が載っていた。

それで、さらっと、堀川監督と言えばinstagramに載せているおふろの国の写真に律儀にいいねをつけていくので、なんとなく印象に残っているんです、というようなことを書いた後に、機会があったら「もう一度生まれる」も観に行ってみたい、しれっと言ったら銭湯とサウナの散歩友達からDMがきた。

 

「その映画なら、(先)週末までなら池袋のRosaで、それ以降は横浜でまだしばらく上映してますよ。」

 

横浜....

とは言っても、ああいう映画は単館系じゃないと上映していないだろうと思う。

どこだろう?と思ったら、伊勢佐木町の近くのジャック&ベティだというので、ちょうどそこには1度行ってみたいと思っていたのもあって、料金が安くなる水曜日の昼に出かけた。

横浜の老舗の映画館なんです。

1度閉館したんだけど、再開したらしくて、アド街かなんかで取り上げられたときに見かけて行ってみたいと思っていたのです。

 

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時間がちょうどよかったので、東京から横浜までつい特急踊り子号に乗ってしまった。

東京~横浜間だと、ネットで購入する指定席券が東海道線グリーン車料金より安かったものでつい。

 

 

 
 
 
 
 
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もう一度生まれる 感想

さて、本題に入る。

「もう一度生まれる」は中編映画で、大体40分くらい。

元々は今回同時公開されているドキュメンタリーの「還る」をベースに撮られた映画である、と公開後のトークショーで聞いた。

 

 

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今回舞台となったのは深夜のスーパー銭湯

主人公はスーパー銭湯の清掃員という仕事を通して、初期のコロナ禍で壊れていく日常の様子や、明日もやってくる日常の尊さが描かれている。

撮影地であり、映画を撮るにあたっては、横浜市鶴見区スーパー銭湯おふろの国」が協力している。

役者さんの演技も、なんとなくこの方の元になっているキャラクターはあの人だな、というのがすぐにわかる。

 

おふろの国には時々入りに行っているので、普段見ている光景がスクリーンに写し出されているのは不思議な感じだった。

どちらかというと描写は男湯の方が多かったかな。

 

 

言葉が見つからなくて、上手くこの映画の感想をかける気がしない。

でもこれを観た感想は残しておきたい。

そういう類の映画だった。

 

 

正直に書くと、コロナ禍を乗り越えることに失敗した自分にとってみれば、この映画を直視するのはちょっと厳しい。

厳しいというよりは、しんどい、が正しい。

今だってあれがなければもうちょっといろいろ人生計画が違った形にどうにかできたんじゃないかと思ってしまう。

世間はそろそろコロナ禍の空気を忘れていくような風潮になっているけど、コロナ禍の3年間の重苦しい記憶というのはそんなに簡単に忘れ去れるようなものではなくて。

みんなもいろいろなものを諦めたと思うけど、そんなに簡単に割り切ってじゃあ次へ、という気持ちにはとてもなれない。

そんな簡単でいいのかな、そんなわけないよなって。

だからコロナ禍の初期を彷彿とさせる表現は重苦しかった。

その頃はすでに自分は銭湯やサウナの愛好家としてtwitterをやっていて、当時のタイムラインを考えるとなかなかしんどかったのもある。

 

 

映画の場面を観ながら、ある2つの文章を思い出していた。

1つは以前にwebの月刊サウナで連載していた、高石さんの書く「清潔な人々」である。

この連載ではまさにスーパー銭湯の清掃員の清掃の様子が毎回描かれているのだけど、これを映像の表現にするとこうなるのか、と表現の手法が変わると受け取り方が変わるもんだな、と感じた。

特にこの映画は音にかなり意識を向けるように作られていて、音でストーリーを組み立てられているので、いつも入っている浴槽のお湯が抜かれる姿は新鮮だった。

実際に清掃のシーンを映像で見るのと、文章で読んでいて想像するのでは大きな隔たりはないけど少しずつ違う感じだった。

館内放送とかがリアルで、ああそう、いつもあんな感じで流れるよね、と思う。

デッキブラシで床をこする音のシーンは印象に残った。

 

 

そしてもう1つは「さうなと3」に掲載された、吉田さんの「充分な理由」。

劇中に、営業していた施設の電源をパチパチ落としていく場面があるんですが、不意にニューウイングのコロナ禍に休業を決めたことが書いてある1シーンの描写を思い出した。

せっかくなので、引用します。

 

4月19日休業

(中略)

 

話を戻すが、休業初日の気持ちは悔しさしかなかった。照明を消しながら人のいない館内を歩く。2階の浴室ではお湯が抜かれた二股カルシウム温泉とジャグジー、ストーブの入っていないボナサウナとテルマーレ改。サウナ施設ってやっぱり人がいないと死ぬんだなと思った。

 

「さうなと3」充分な理由  ニューウイング吉田 

 

作中のシーンはまさに施設がしんでいく描写だったんですが、そういえばそんなこと書いてあったよな、とふと思い出しました。

あの時はなんていうか、規模も違えば受けている影響もそれぞれの施設で全然違っていたと思うのだけど、空気感というものが界隈に共有されていて、そういうのがにじみ出ているな、と感じた。

 

iixxx.hatenablog.com

 

 

 

ちょうど初めての緊急事態宣言で休業を余儀なくされている施設が多かった頃、急遽オンラインで開催された熱波甲子園2020の映像にもやっぱりあの時の空気感、というのが流れていると思って。

思い出したのでYoutubeも貼っておきます。

 

 

初回の緊急事態宣言下にあった独特の空気感っていうのだろうか。

みんながどうしたらいいのかわからないけど、不安もありながら、とりあえずやれることをやろう、っていう雰囲気がよく映画にも描き出されてたな、と思いました。

本当に当時のタイムラインはあんな感じの空気だった。

 

 


www.youtube.com

この時の熱波甲子園、仰がれたいと思う動画は秋山温泉なんだけど、いちばん印象に残ってるのははなこさんのこの動画。

外は異常事態なのにはなこさんの熱波動画は普段通りの熱波すぎて(この時熱波師になって半年弱くらいなはず)、ちょっとほっとしたのを覚えています。

 

 


www.youtube.com

一郎さんのラジカセを首から下げながらやる熱波の映像は衝撃的だった。

別のイベントで一郎さんの熱波も見たことがあるんだけど、実際にこんな感じの熱波なんだよね。

 

 


www.youtube.com

熱波道、と言えばこの方ですね。

動画になっても井上さんがこれぞ井上勝正!という感じで、平常運転すぎる。

 

あ、井上さんの熱波は実際の熱波もこんな感じです。

話が長くて脱落したり、途中退室して出戻ったりするのも平常運転。

 

 

 

最後に残ったものは淡い希望のようなもの、というのを感じとれる映画だった気がするけど、自分としてはそこに希望があったかな?とその点には疑問を感じた。

残ったものが希望じゃないことも、現実にはあると思うので。

リアリティを追求して作られていた分、なんとなく自分はそう感じたのかもしれない。

 

 

この映画は、そんなにカッコよくない日常を営んでいくことにフォーカスされていて、その点はおふろ屋さんってそうあってほしいなと自分が常々思っているけどあまり光が当たらない部分であるのでそれが映像化されたのはよかったと思う。

でもそれを過度に尊いこと、とするのもまたどうなのかと思うところである。

日常は尊く脆いものでもあるけど、淡々と営んでいくものだから。

 

 

脆くも崩れ去ってしまった日常を映像化したことはとてもよかったんじゃないかと思う。

3.11も今回のコロナもそうだけど、時が経って喉元を過ぎればそういうことを忘れてしまうものだから。

戒め、ではないけれど、こういう形で作品として記録にしておくというのは映画にしかできないと思う。

 

 

 

 

 

ドキュメンタリー 還る

井上勝正さん、という人は端から見ていると波乱万丈な人だと思う。

twitterをみていると、時々何を言いたいのだかわからないことがある。

井上さんに言及すると、ほとんど全てにリプもしくは引用RTがくる。

承認欲求については、おそらくそれを是としていて潔い。

ここ数年はサウナがブームになったこともあり、何度か井上さんについては様々な媒体から記事が出ていると思う。

直近では新婚さんいらっしゃいに登場したり、ゲームのキャラクターのモデルになったりしていて、熱波道の普及活動に抜け目がない。

 

 

bunshun.jp

井上さんの記事でよく知られている記事はこれだと思う。

 

 

映像を観て、このドキュメンタリーが撮られていた頃の井上さんは自分が遠くから見ていた井上勝正だな、と思った。

サウナ皇帝としてサウナに君臨していた頃か、サウナそのものになってすぐ位の頃。

本人はあんまり変わっていない、というかもしれないけど、外から見るととっつきにくい空気をまとっていた時代の井上勝正だと思う。*2

あんまり正直に書くと怒られそうだけど、自分がおふろの国で遠くから眺めていた頃*3は手負いの野生動物みたいだな、とずっと思っていたので。

土曜日におふろの国の入り口でスタンバイしてお客さんを迎える井上さんのまとう空気はいつもちょっとピリッとしていたと思う。

 

 

ドキュメンタリーのなかで清掃主任として発される言葉は、やっぱり高石さんの「清潔な人々」の主任の登場シーンを彷彿とさせる。*4

あのままですよ、って言ってたけど、映像にしてもほんとにあのままなのか、という妙な納得感があった。

 

 

 

公開トークショー

水曜日の真昼間だというのに、この回はなぜか映画の上映後にトークショーがあった。

それがあるらしい、というのは映画が始まる前に映画館のスタッフさんに聴いていたのでふーんと思っていたのだけど。

まさかこのトークショーが映画を撮った堀川監督以外に勝正さんと一郎さんが来るとは思わないじゃないですか!

事前情報を何も見ていなかったので、3人が入ってきたときにげらげら笑ってしまいそうになりました。

 

 

しかも勝正さんと一郎さんの組み合わせって、どう考えてもトークがスムーズに進行しそうにない。

誰よ、この組み合わせにしたの?と思ったのは秘密ですが、おふろの国のいつもの日常のメンバーなので、予想通りトークが長くなり、うんまあそういう感じになるよね、というトークでした。

 

 

一郎さんがこういうところに来るのは珍しい気がする。

このトークショーは自分じゃなくてふろくにLover達に観てもらいたかったな~と思うような濃いようでそんなでもない内容でしたが、面白かったです。

なんとなくいつもおふろの国でこういう視線の合い方するよな~と思っているのと同じ感じの視線の合い方をしたので、一郎さんって面白い人だよなぁ、と思いました。

なんか観察されてる感じがあるんですよね。

目が合ったのは気のせいかもしれないけど。

 

 

ところで、この上映回は当たり回だったんですね。

全部やってるわけではないというのを今初めて知りました。

レトロな映画館だというのに、空気が完全にふろくにでした。

 

 


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お写真タイムで少しずつポーズを変える一郎さん。

みんながやっているのは”パネッパ”ポーズです。

 



 

そのあと

ジャック&ベティで映画を見たあとは、伊勢佐木町まで歩いてすぐだったので、歩いていって玉泉亭でサンマーメンを食べました。

サンマーメンって横浜のご当地ラーメンで、大体神奈川の藤沢あたりから東京の大井町くらいまでの街中華のメニューに載ってるんですよ。

お店によって味が違うんですけど、あっさりベースの中華そばにアツアツの餡でふたしてあるのが特徴で、都内でも食べられるんですけど、やっぱりちょっと違うんですよね。

 

 

玉泉亭はそのサンマーメンの発祥のお店の1つと言われていて、本店はここ伊勢佐木町で、横浜駅東口の地下街ポルタにも店舗があります。

 

でも私は本店のサンマーメンが好きで、半年に1回くらい食べにきます。

来たらぜったいサンマーメンです。*5

東口よりもあっさりしてる気がするんだよね。

 

 

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tabelog.com

 

 

腹ごなしに少し歩いて、この後チャリを借りて満天の湯まで走った。

今日こそ満天の湯に行こうと思ってたんだよね。

 

 


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こういう景色は横浜っぽいな~と思う。

上を走っているのは首都高横羽線(K1)

 

 

満天の湯 サ活

https://sauna-ikitai.com/saunners/14626/posts/3739454

 

 

 

 

*1:私が拡散しないからと言って他の人にそうしてほしくないというわけではなくて、そういうものも取り上げてもらえるのはうれしいです。

*2:ここ数年でなんとなく空気がやわらかくなったと思っているのはきっと気のせいではないと思う。

*3:2019~2021くらい

*4:「清潔な人々」に登場する主任は井上勝正さんその人です。

*5:と、余裕があるときには半チャーと赤星を付けます。

#月刊サウナ 2023.3.26号

おふろの国が発刊している月刊サウナでふちうさん(id:tsumetaimizuburo)の「サウナ室で逢おう」の連載が始まったのが1月。

それから2ヶ月、毎月掲載されるこの記事をなんとなく毎月感想を書いている。

 

新しい連載が始まったらしい、ときいて購入した今月号は、大西一郎さんもサウナのサチコさんも同じ方の話を書いていて笑っちゃった😂

新しい連載
@f_shiraitodai
 はかわいすぎました😌
ご本人を模したイラストは錦糸町の噂のあの方が描かれたらしいです🐈‍⬛

#月刊サウナ

 

 

2023年1月27日

 

@i_as_37to1010

 

ふちうさん@f_shiraitodaiの連載を読んだ

SPAにも掲載されて噂になったヒーターの銭湯や、販売終了の歯磨き粉と閉店予定のサウナの時間がやさしく描かれている。 地域の銭湯の空間を共有する感じが好きだ。 一郎さんの文章が前から好きです。 毎回、読むと重い…!って思うんだけど。 
@nikkansauna

 

 

2023年3月2日

 

@i_as_37to1010

 

 

読むたびに感想を書こうと思って、だいたいTwitterで感想を書いているのだけど、今月は悩んだ。

何をどうやって書いたらいいかうまく思いつかなかったからである。

いつもはSNSで書いているのだけど、今月は趣向を変えてブログで書くことにしました。

 

こう言う冊子や本の書評や感想を書く時には、いくつか個人的なルールを定めている。*1

だいたい3つくらいのポイントがある。

 

  1. ネタバレを回避しつつ自分の読んだポイントを書く
  2. ネガポジ比率は悪くても1:1まで(あまりにも批判的なことを書きたい場合にはこれによらないけど、今のところほぼない)
  3. なるべく手に取りたいと思ってもらえるように書く

 

3についてはかなり自己満足に近い。

と言うのは、自分は読んだ本の読書メモくらいはするけども、評や感想を書きたい、と言うのはこう見えて結構稀だと思っていて、だからそこまで書くときは本当に読んでほしいと思っている時だけだと思う。

まあ時折、そういうことに使える時間がある時期が発生するというのもあるけど。

 

 

本の書評や感想を書くときには、自分らしさはなるべく消すようにしている。

これはいけばなで花をいける時と同じで。

自分の気配を消しながら、最後にふわっと誰が書いたか(いけたか)がなんとなくわかる感じになるのが現時点での自分の理想。

削り落していって最後に残るものが個性、というものだと思っているのです。

書評や感想の記事の主役は本だと思っているので。

 

 

月刊サウナ(2023.3.26発刊号)感想に戻る。

 

サウナ室で逢おうで今回取り上げられていたサウナは4つ。

毎月だいたい3〜4つ、サウナが登場する。

よく知ったサウナもあれば、

そこどこ⁉︎どうやって公共交通機関でそこにたどり着いたの?

と思うようなお店もある。

今月はアクセスの観点からいえば関東近郊に住んでいればさほど難しくないところが多い。

 

 

ちょっと話題になっていた、とある施設のお姉さん、というと、なんとなく通じる人には通じそうな合言葉のようなお姉さんの後ろ姿を見ることができて、なんとなく元気をもらえる。

うん、もうなんていうかその施設はね、関東近郊のサウナ好きはまあ大体知ってると思う。(自分の知ってる数少ないサウナ好きの周知率は100%)

ここはね、もうほんといいんだよね。

私も大好き。

 

 

それから3つ目の施設は知り合いの神奈川のサウナ好きな人たちがみんな揃いも揃っていいっていうところ。

まず間違いないはず(まだ行ったことないけど)。

水風呂がいいらしいんだな。

 

「サウナ室で逢おう」はなんでだかすごく毎回さらっと読めてしまって、読むたびにこんなにさらさら読めていいのだろうか、と思う。

日記調になってるとなんか読みやすく感じるのはなんでだろう。

サウナを紹介しつつ、合間合間に差し込まれる野球、競馬、家族との日常生活が垣間見えるのがたのしいのかな。

 

 

今月の特集は、堀川湧気監督の映画「もう1度生まれる」についてのインタビューと、ソナーポケット×井上勝正さんの人間賛歌という記事だった。

大々的にこの雑誌がそういう記事をやるのは珍しいと思うのだけど、それもそのはず。

堀川湧気監督のインタビューについては、映画の撮影場所がこの雑誌を発刊しているおふろの国だったようである。

堀川監督、自分のインスタにもたまにいいねがついていて、なぜこんな方が?と思って時々いいねがついた写真を見に行くと、ついているのはちゃんと全部おふろの国写真でめちゃくちゃマメな方だな、と思ったのでした。

映画はまだ観れてないのだけど、観たいと思っています。

まだやってるのかな?

 

 

今月の大西一郎さんとサチコさんの連載は例によってやっぱりどちらも濃かった。

おふたりとも、いつも想像の斜め上の内容をフォークボール*2みたいに最後にすとんと落としてくるので読んでいて読みがいがあります。

義理、人情、人間味というような町人文化の下町気質みたいなのが文章から滲み出ていて、噛めば噛むほど味の出る良さがあるのです。

 

 

 

それから、九州のサウナの連載が2つ。

1つはぷりかさんの「九州放浪、ひと街、ひと蒸し」で、前回から登場するお店にへー、と唸っていたり*3、今月から始まったサウナサン足立さんの「田舎のサウナの大将日記」では昨年行われた「九州サウナオールスター感謝祭」のイベントレポがあったり。

 

 

今月はなんだか盛りだくさんでした。

来月もたのしみにしています。

 

 

 

それではいつかどこかのサウナでお会いしましょう。

 

関東近郊の庶民的な雰囲気の女性サウナでオリックス・バファローズのサウナハット*4を被った変な女子がいたら、それはたぶん私です。*5

 

 

 

 

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g-sauna.com

*1:特に頼まれて書いているわけではなく、いつもただ単に紹介したいから書いているのです。

*2:3月にシーズンが開幕してから毎日オリックスを観ているせいで野球かぶれみたいな表現をしていますが、実際のところ自分にはフォークとカーブの球種の違いがいまいちよくわかりません。ところでいつになったら推しの紅林は1軍に上がってくるんでしょうかね…?

*3:ごはんのお店がおいしそうなんです

*4:もう売り切れてしまったんですが、チームの公式グッズとして売り出されてました。

野球選手はよくサウナの話題に出てくるのですが、グッズとしてサウナハットとマットを出すとは恐ろしいチームです。

選手に監督についてのインタビューをするとサウナの話題が出てくるようなチームなのでまあ。

今の中嶋監督は、ある選手によると"サウナが強い"らしいです。

*5:サウナハットは今のところダリンと兼用なので毎回被ってるわけでもないのですが、ほぼ私が使っています。

2月はいつもダメすぎる

1月までは、めずらしく今年はそれなりに元気だった。

やる気に満ち溢れていたわけではないけど、なんとか普通に生活できるくらいにはどうにかなっていた。

 

 

突如ダメになったのは2月だった。

寒さが一段と深まったのもあると思う。

とにかくわたしは寒さに弱い。

暑さはどうにかなるけれど、寒さはめっぽうダメ。

特に雪が降らない寒さは堪える。

適度な湿度が人生には必要だと思う。

2月は布団から出られる日が少なく、動けなかった。

期限の近くなったより道の湯のチケットを使いに都留に行ったり、NWのレディースデーに入っていた以外はひたすら引きこもっていたと思う。

冬の気圧、どうも相性が悪い。

 

まわりの時間はどんどん進んでいるのに、自分だけ取り残されているみたいで、冬は音もなくなるから、さらにしんどくなる。

どうやってちゃんと生きていたんだろう。

 

生きていることがわりとしんどい。

それはだいたいいつもだけど。

生きたくても生きられない人もいる、のもわかってはいるのだけど。

でも生きることが自分にはしんどいというのくらいは許されてもいいんじゃないか、とも思う。

メンタルが下降線を降り始めるようになって、たまに持ち直すけど基本的にはぎりぎりのとこを行ったりきたりしている気がする。

 

なんだろ、時代の空気かなぁ。

代わりはいくらでもいる、

収益を上げる仕事以外は究極的には意味がない、

あなたの仕事が生産性がない…etc

困ったときには召喚されるのに、都合が悪くなると捨てられる。

そういうメッセージを受け取り続けると、どんどん疲労が蓄積して、ふとしたときにふつふつとそういうのを思い出してしまう。

 

 

挙げ句の果てに生殖の観点から生産性がなければ無能な人間扱いされ、いまどき家庭を回すくらいしか能がない人間もまた無能扱いされる。

無能で済むならいいんだけど、無能なのになぜ生きてるのかを問われるような感覚を時折感じることがある。

そういう風にしか生きられない期間があっても仕方ないはずなんだけど、そういうのは受け入れられないらしい。

そういう言説を臆面なく発言する人が増えたような気がする。

社会が荒んでいるのか、自分が見ているものが荒んでいるのか。

サンドバッグじゃないんだけどな。

 

恋にも仕事にもプライベートにも家庭にも全力で頑張れる人はそれは素晴らしいことだと思うけど、頑張れる人は頑張ればいいし、頑張っていないように見える人間を勝手にラベリングして卑下するのはできればやめて、承認欲求は自己で完結してほしいとも思う。

 

 

そんな感じで、どうにもなんないな…

と思っていたところに、訃報が届いた。

まだ若いのになぁ…

彼のアウフグースを初めて受けたときは、未熟だけど可能性を感じる風で*1、1年後くらいに受けてみたいと思っていたのだったけど、すっかり人気者になってしまって、なんとなく風を受けに行くことを先延ばしにしていた。

ゆいるくらいは頑張っていけばよかった。

まだまだ受けたかったんだけど。

 

RIP...

 

サウナに入るたびに思い出されてしまって、サウナ自体にしんどさを感じてしまうところもある。

もう少し時間が必要だと思う。

3月はずいぶんお店の閉店も多いのも堪えるのだよね。

 

昔、同僚も同じくらいの歳の時に突然亡くなってしまったことがあって、あの時も長いこと引きずった。

 

若い人の訃報は、胃の奥の方にどんより重いものを感じる。

と同時に、ほんの一瞬、なぜ自分じゃなかったのかと考えてしまう。

引きずられないように細心の注意を払うことで、消耗もする。

*1:技術の完成度の高さとプログラムとしての未完成のちぐはぐなところにめちゃくちゃ可能性を感じた。

【本の感想】お風呂と推しごと vol.1

去年の年末に、BOOTHで1冊の冊子(ZINE)を買った。*1

 

sentosuki-1126.booth.pm

 

東京/荒川区の銭湯「千代の湯」さんの店長さんであるがわさんがわ (@gawa002_7715) / Twitter を中心に、銭湯巡りが好きな4人が存分に推しの銭湯について語る内容で、読み終わったあとはなんとなくほっこりした。

なんていうか、「読む銭湯」みたいな読後感で。

感想をTwitterのツリー式にしてぶら下げておいたのだけど、なんとなくどこかにまとめておきたかったので、ここにまとめることにします。

 

シンプルかつ素直でいいな~って思う推しへの愛があふれた文でした。

 

銭湯ブログ「たまゆら湯 〜 湯気三昧の銭湯散歩 〜」のa24さん(id:a24figaro)も文を寄せていらっしゃいます。

ふだんの雑誌の特集とかではあまり見かけない銭湯も多く出てくるので、きっとたのしく読めると思います。

オタクの沼は広くて深い。(あ、でも文章自体は入門者向けです。)

 

#お風呂と推しごと

購入したのは年末だった。

がわさん
@gawa002_7715
 やアツシさん
@A24Figaro
 のツイートでデザインフェスタに銭湯の本を出すって書いてあったような…🤔❓

アツシさんたちが書くならいつもは表に出ないようなところもたくさん出るでしょ〜😘
と思ってboothで買ったのだった📕

 

"@i_as_37to1010" twitter

 

”昔ながらの銭湯”

#お風呂と推しごと

購入したのは年末だったと思う。
まとめはたぶん後で書くとしてまずはざっくり📝

 

「昔ながらの銭湯」
ここはアツシさんとがわさんが書いている。*2


2人が書くなら早々そういうところだと思う!というところが登場してくる。
銭湯好きでもちょっとそこ知ってる?と思うような、

2人のツイートでよく登場する都内のお風呂屋さんが10軒登場する。
(ちなみにガチ勢は知ってると思う)

九谷焼のタイルってもしかして鈴栄堂?

そうか…閉店されてしまったのですね。

 

下町の熱湯って、笑っちゃうくらい熱くて、熱湯に慣れていても最初はちょっと緊張するの、本当によくわかります。

閉店してしまったお店は10軒のうち、3軒。
"推しは推せるときに推す"
ってほんとうに大事で。
新店のオープンや改装オープンに湧くことも多いサウナと違ってなかなか厳しいのが銭湯の現状。

特にこの燃料高はお湯を沸かしているお店を直撃している。
推しには長く営業して欲しい。

また記憶に残すための記録として書かれているのだろうな、と感じるお店も多く、読んだらなんだか、ああそうだったな〜と思ったりして、お風呂上がりみたいにほっこりした♨️

 

"@i_as_37to1010" twitter

 

 

”銭湯好きになった女性からみた銭湯”

#お風呂と推しごと

「銭湯好きになった女性からみた銭湯」は、ず子さん@unichang8*3 が書いている。

登場するのは、台東区の地域密着型の銭湯ばかりである。
銭湯もサウナも満遍なくまわる勢のわたしからすると、台東区の銭湯は「ふかい」


有名どころを除くとよくも悪くもクセが強いところがあり、

女湯はさながら情報交換所となっていることが多い。
荒川区もわりとそうだけど、墨田区台東区の銭湯では入手できる情報の量が段違いだと思う。

常連さんたちはみんな地元を愛して誇りに持っている人が多くて、時々ふらっと入ると、カラッとした気風のいいマダムが多く、結構おもしろかったりする。


そういう日々のやりとりみたいなことが、書き出されていて、ああ、うん、わかる!となる。
台東区の銭湯はそんなにたくさんは入ったことないのだけど、そういう特有の雰囲気があって、それを自然と受け入れながら溶け込んでいて、それがすごくいいな、と思った。


お気に入りのカランがある人やサウナについて一過言ならぬ三過言くらいあるんじゃなかろうかという常連さんも多い気がする😌

あとだいたい台東区とか荒川区の銭湯って夜のあいさつはおやすみなさいだなぁ…🌃

 

"@i_as_37to1010" twitter

 

 

”サウナ付きの銭湯”

#お風呂と推しごと

トップバッターは「サウナ付きの銭湯」ということで、ザっくりととのうサウナ入門を運営しているやのしんさん
@YN4ro*4が書いている。

いちばんベタで、比較的知られているところが登場するので、サウナ好きからもとっつきやすいと思う。

 


銭湯サウナといったらだいたいこの5湯のどこかに行っておけば間違いがない、と思う選択で、やのしんさんらしいと思った。

いろいろ出てきて全部わりと好きだけど、亀遊舘🐢*5はぜひ行ってみてほしいな。
(営業日が変則的で、今は水/木/土/日に営業しています😌)

サウナの居心地の良さもさながら、


お風呂もいいのだよね〜🤤

あとそういえば大事なことが書いてあって、銭湯って街に接続していて、街と銭湯の境界線が曖昧なので街歩きするのがすごく楽しいんですよ!

商店街じゃなくて、住宅街にポツンとあったりしても、ちゃんと溶け込んでいるので、知らない街を探索するのも楽しいのです🚶

 

スタンプラリーやってたりすると、番台の方から、
ここのお風呂は行った?見応えあるから行っときな〜!
っておすすめを教えてもらったり、サウナが好きなら◯◯湯に行くといいよ、と言われたり(意外と知らないとこだったりする)。

ちょっとした情報をちょこちょこ教えてくれるので、楽しいですね😌

 

"@i_as_37to1010" twitter

 

f:id:iixxx:20230125044654j:image

 

 

引用元Tweet

*1:東京都荒川区にある千代の湯さんでも買えます。

*2:

twitter.com

 

twitter.com

*3:

twitter.com

*4:

twitter.com

*5:

twitter.com

BEFORE DAWN (J-WAVE 81.3)

先月から、BEFORE DAWNという番組を聴いている。

聴いている、といっても、リアルタイムで聴いているわけではなくて、radikoのタイムフリーで聴いているのだ。

後追いできるようになったのはほんとうにいい。

dawnというのは夜明けという意味で、before  dawnと夜明け前ということになる。

まあちょうど宵っぱりが続いているからなんかしっくりくるな。

 

 

自身でも数年前から音声配信を時々しているけど、ラジオはもともと好きだ。

番組構成の好みみたいな観点から言うと、昔から聴いているのはどちらかと言えばFM系*1だけど、学生時代には今でいうオタクのカルチャーにもハマっていた時期があって、その時は深夜にしょっちゅう文化放送TBSラジオを聴いていた。*2

深夜になると遠くの電波も拾いやすくなるのか、気が向いてザッピングするときにざーざー雑音が入っている大阪のMBSラジオなんかもよく聴いた。

学生時代はその延長でラジオのサークルに入って番組をつくったりもした。

 

 

コロナ禍になってからはTVのニュースがしんどくて、TVを消した代わりにEcho dotを購入した。

Echo dotで朝のニュースをきいたり、radikoを流したりして、とどのつまりラジオに回帰した。

耳だけ、っていうのは、ざわざわしているのがあんまりなくて、情報がスーッと入ってくるのがよかった。

緊急事態宣言とかを何とか乗り越えられたのはEcho dotのおかげもあるかもしれない。

でもって購入して3年経つのに今更何言ってんだと思うかもしれないけど、今更ながらEcho dotをBluetooth接続してスピーカー替わりにつかえることを知った。

思ったよりずっと便利じゃん、この人!

 

iixxx.hatenablog.com

 

 

と、まあこんな感じで、ラジオを聴くというカルチャーはもともとあった。

BEFORE DAWNを聴くに至ったのには、いくつかの偶然があった。

ひとつは、真冬の寒波に見舞われるこの時期の睡眠の問題。

この時期は決まって睡眠の状況がすこぶる悪く、今年も例年と変わらず季節が深まるごとに悪化していった。

わたしは決まった季節に睡眠のバランスが崩れる時期があるんだけど、真冬のこの時期はちょうどそれ。

秋の中頃(10月後半くらい)や梅雨真っただ中、4月の春先なんかも気を付けたところで睡眠はあまりよくなくて、最近はもうそういうものだと思っている。

ものすごいだだ崩れさえしなければ30点の睡眠でも可とする、という心持ちで生きることにしてから、それでも随分マシになった。

 

メンタルのバランスを崩したとき、ぼろぼろと砂が崩れ落ちるようにして最後は通院することになったときの恐怖は、未だに覚えている。

あのときは通院することになる2年も前から兆候はあったのだ。

有り体に言えば入眠障害中途覚醒という2つの症状が出ていた。

どう考えても睡眠に問題がある。

仕事のない時間の緊張を解くことが全くできなくて、あまり眠れない日が1年半くらい続いた。

もともとロングスリーパー気味のわたしは、突然起こった人生で初めての「眠れない」という現象に恐怖した。

かろうじて取れる3時間~5時間くらいの薄い睡眠はどんどん自身を不安へ突き落していって、最後は足元がぼろぼろと崩れるようにして、まともな生活を送ることができなくなった。

 

 

話が逸れた。

つまりそんなわけで、さいきん深夜に眠れないときに流れてくるTLをぼーっと眺めていて、BEFORE DAWNと会ったのだった。

そして、私のTLにBEFORE DAWNが流れてきたのは、かなり確率の高い偶然だったと思う。

時々ツイートを眺めている何人かのアカウントがリスナーだったことはずいぶん前から知っていた。

あの人とあの人はリスナーだよな、というのがなんとなくわかるし、たぶん好きそうな気がする、というのがあった。

以前は追っかけていって聴こうと思わなかったけど、なんとなく今聴こうか、と思った。

たまたま、聴いた日のゲストがサウナ好きの間では知られている五箇さんだったということもあるかもしれない。

 

 

それから、ナビゲーターの燃え殻さんのツイート自体も時々RT(リツイート)で流れてきていた。

それもやっぱり、何人か接点のあるFFの方が思い浮かぶ。

時々流れてくるTLの燃え殻さんの関連のツイートを見ていると、水みたいな人だな、と感じていた。

実際、ラジオを聴いてもそんな感じがした。

 

 

うとうとしながら聴いているので、ちゃんと評せるようには聴いていないのだけど、ゲストとのやり取りもいいけど、おたより紹介がいい。

深夜に、この番組に、こういうおたよりがくるの、なんかすごくわかるなあ、と思ってしまう。

おたよりの内容は重たいなと感じるものも多いんだけど、燃え殻さんの”遠くから寄り添う”みたいなスタンスにリスナーはほっとして、安堵しているんじゃないか、と思う。

漠然と感じている曖昧な不安に、輪郭をくれる言葉を伝えてくれている、ような気がした。

いったん受け取って、さらっと流すというか。

近くの人や身近な人をなかなか呼び止めて相談したりみたいなことをするのが難しくて、でもひとりで抱えるのはしんどい。

誰かに荷物をもってほしい、というよりは、持っている荷物の重さを誰かに知ってほしい、みたいな感じのメッセージが多い気がする。

 

取り残されたと思う深夜に、寄り添う、そんな番組だなあ、と思って、番組をBGMにして、うまく眠れはしないけど、うとうとする時間を最近はすごしています。

 

 

twitter.com

 

www.j-wave.co.jp

 

Before Dawn

 

 

 

 

おまけ

全然余談ですが、自身では銭湯やサウナのことをテーマにした音声配信(podcast)やってます。

 

”しんどいときにもだらだら聴ける”

”やっていること邪魔しない”

”夜に寄り添う”

”ながら聞きのおともに”

 

というようなことをモットーに、銭湯とかサウナについてだらだらはなしていますので、気が向いたら聴いてみてください。

SpotifyGoogleAppleAmazonなどの各種podcastで聴けます。

 

radiotalk.jp

 

open.spotify.com

 

 

 

 

 

*1:FMYokohamaが好きで一時期けっこう聴いていたと思う。

*2:深夜は毎日どこかしらの局で声優のラジオを放送していた時代があるのです。